【タケ(竹)】剪定の基本を庭師が伝授

芯を止めて高さを調整しよう

青々と高くそびえ立ち、落ち着いた雰囲気がある竹。

「竹ってどうやって剪定するんだろう」
「そもそも剪定の必要があるのかな」

など、竹の剪定の知識がなくお困りではありませんか。放っておいても大きく育つので、そのままにしてしまいがちですよね。そこで本記事では、竹の剪定方法や注意点が知りたい方に、以下の内容を丁寧に解説します。

・竹の基本知識と特徴
・剪定時期と方法
・剪定時のコツと注意点
・竹の種類と育て方と注意点

この記事を読めば、剪定方法や育て方までわかるので、きれいで健康な竹を育てられますよ。各種の注意点も紹介するので、作業するときの参考にしてください。

岡山県で剪定・伐採などのお庭のメンテナンスサービスを提供しています
メールでのお問合せはコチラ
お電話での問合せ0120-335-332【営業時間】9:00~17:00 【定休日】日曜・祝日 ]

目次

タケ(竹)の基礎知識
タケ(竹)の特徴
タケ(竹)を剪定する時期
タケ(竹)を剪定するメリット
タケ(竹)の剪定方法
タケ(竹)を剪定するときのコツ
タケ(竹)の剪定するときの注意点
タケ(竹)の種類
マダケ・モウソウチク・ハチク
黒竹
笹(ササ)
タケ(竹)の育て方
植え付け
水やり
肥料
タケ(竹)を育てるときの注意点
地下茎が伸びることに注意する
病害虫に注意する
まとめ
自分での剪定は事故に注意!

タケ(竹)の基礎知識

竹は日本全国で見られ、強く折れにくい稈(カン)が成長します。カンとはイネ科の植物の茎を指す言葉です。あまりなじみがないので、本記事では幹と表記します。古来から親しまれ、独特のたたずまいから、日本庭園などでも見かけられる植物です。

学名:Bambuseae
科名:イネ科
和名:タケ
英語表現:Bamboo
常落性:落葉広葉樹
樹高:3〜20m
開花期:4~5月頃
日照:ひなた、半日陰
花色:クリーム色
耐寒性:あり
剪定時期:2~3月
花言葉:節度、節操のある

竹には普通の庭木と違った、さまざまな特徴があります。次章からくわしく紹介していきます。

タケ(竹)の特徴

竹は地下にある茎が伸びて繁殖し、生息範囲を広げます。花はめったに咲かず、開花の周期は50年以上です。開花すると子孫を残し、地下茎でつながっている竹同士は枯れます。

凄まじい成長力を見せるのも大きな特徴です。一日に1m以上伸びる場合もあります。そのため竹を放置すると、あっという間に空が見えないほどうっそうとしてしまうでしょう。

竹はさまざまな加工品としても利用されます。幹は強度と弾力性に優れるため、竹細工や建材、釣り竿などに使われます。そのなかでもお庭でよく見られるのが竹垣です。湾曲させても壊れずに耐えるので、さまざまな形状が見られます。

タケ(竹)を剪定する時期

竹はその成長度合と目的によって剪定の適期が異なりますが、前年から生えている竹の成長を抑える切り詰め剪定は2〜3月、その年に生えた竹の高さを抑える場合は5月~6月が適期です。

また切り取った枝や切り詰めた幹を利用したい場合は、10月頃が良いでしょう。昔から「竹を切るのは旧暦の8月(現在の10月)が良い」という意味のことわざもある通り、このころに切ったタケは水分量が少ない為、切った部分に虫が付きにくく、腐りにくいと言われています。

タケを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。

庭木の剪定時期一覧表(全143種の樹木別剪定時期年間カレンダー)
庭木の剪定は庭木や生垣などを美しく保つためには大変重要な作業ですが、剪定を行う時期はお正月を迎える前にキレイにしておこうと考えられる方が多いのも事実です。しかしながら実は剪定にはその木ごとに最適な時期とやり方があります。今回は庭木や生垣、シ...

タケ(竹)を剪定するメリット

竹を剪定するメリットは、以下の3つが挙げられます。

・樹高を調整し手入れをしやすくする
・観賞価値を高められる
・害虫予防の効果がある

剪定によって竹の高さを手の届く範囲にとどめると、自分で手入れができます。古くなった竹は枯葉が目立つようになるため、数年に一度、根元から切り落とし株を更新します。更新を図ると、常に健康できれいな竹の維持が可能です。青々しい葉は見ていて気持ちがよく、株の更新によって観賞価値を維持できるでしょう。

また、剪定で風通しと日当たりをよくすると、害虫予防の効果があります。竹はうっそうとしがちですが、適度に枝を間引いたり透かしたりして、害虫対策を行います。

タケ(竹)の剪定方法

竹の剪定は、混み合った不要な枝を枝同士が重なっている箇所の付け根から切り落とします。自然な樹形がきれいな竹ですが、幹は成長が早く、そのままにしておくとどんどん伸びてしまうので高さを抑えるために幹を切る芯止めを行います。
この際、節と節の間で切るとそこに雨水がたまって腐る原因になるため、節のすぐ上で切り落とします。このことから竹の場合はこの作業を「節止め」と呼びます。

タケ(竹)を剪定するときのコツ

竹の美しさは自然な枝ぶりです。剪定をしすぎて、景観を損ねないようにします。しかし、そのまま大きくしてしまうと枝や幹が混み合い、害虫を呼びよせてしまうことも。竹同士の間隔を調整するには、タケノコの時点で取り除いておきます。大きく成長する前に除去できれば、のちの手入れが楽になるでしょう。

タケ(竹)の剪定するときの注意点

竹は、切り落とした枝などの繊維が非常に硬いです。ハサミで切り落とした箇所は、切り残しがあると非常に鋭利になります。幹と枝葉はできる限り、切り落とした箇所と平らにしましょう。作業時は手を傷めないよう、手袋は皮手袋の着用をおすすめします。

■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。

剪定の切り方・切る場所・切り口の正しい方法を庭師が伝授します♪
剪定の切り方、切る場所、切り口は、正しい方法があります。正しい剪定の方法とは、剪定による樹体の損傷が極力少なくなるようにすることと、その後に腐朽など、将来に悪影響を及ぼさず、むしろ、剪定によって樹勢が蘇ったり、木が若返ったりできる手助けとな...
剪定の基本のやり方を庭師が伝授します♪
剪定をやってみる?庭木の剪定の基本を庭師が伝授! 庭木の剪定には基本のやり方と剪定に適した時期があります。我々プロの庭師でも来年以降の樹形を考えながら行いますが、素人の方ならなおさらではないでしょうか。木の種類により剪定方法や時期などが異な...
ご注意ください!
自分で剪定する際に、
事故が発生しています。
設備不良による転倒や、害虫との接触など、剪定中の事故が発生しています。十分注意の上、怪我のないように、作業を行いましょう。 設備不良による転倒や、害虫との接触など、剪定中の事故が発生しています。十分注意の上、怪我のないように、作業を行いましょう。
事故の事例を見る

タケ(竹)の種類

竹のなかでも、以下の種類を紹介します。

・マダケ・モウソウチク・ハチク
・黒竹
・笹(ササ)

どの種類も日本らしさを持っています。それぞれについて、くわしく紹介します。

マダケ・モウソウチク・ハチク

お寺や庭園で竹林として見かける竹です。直径が10cm前後あり、成長すると20mほどまで伸びる種類もあります。大きなタケノコが見られるのもこれらの竹です。

黒竹

直径は2~3cmで、高さは5m前後に成長する、小振りな竹です。2年ぐらいたつと幹が真っ黒な色になり、鑑賞用として人気があります。小さめですがタケノコも生えるため、食用として利用可能です。

笹(ササ)

竹と似ている樹種に「笹」があります。2つの違いは、「幹に成長時の皮が残るかどうか」です。竹は皮が残らないので、幹をはっきり見ることができます。笹は古くなった肌色の皮が残るのが特徴です。鑑賞用として、お庭に植えられることもあります。

タケ(竹)の育て方

竹の育て方を、「植え付け」「水やり」「肥料」にわけて解説します。放っておいても育つ竹ですが、成長が思わしくない場合は手入れを行います。

植え付け

竹は日当たりを好みますが、乾燥に弱く西日を嫌います。そのため植え付け箇所は、半日陰の場所が適地です。成長するとタケ同士は混み合うので、自然と半日陰の環境が作られます。

土づくりとして、植え付ける場所に堆肥を混ぜこみます。植え付け時の環境が適していれば、その後は自然と育つでしょう。

水やり

竹は基本的に水やりが不要で、自然の雨水で十分に成長できます。しかし、植え付け直後だけは、土が乾かないような水やりが必要です。また真夏に高温が続き、土が乾くと枯れる場合があります。7〜8月頃は土が乾かないよう、こまめな水やりを行いましょう。

肥料

タケノコの出る前の3月頃に、追肥として化成肥料をまきます。もともと土の状態が良くないなど、肥料の必要性があれば、最初の施肥から3カ月おきくらいに追肥すると良いでしょう。

タケ(竹)を育てるときの注意点

竹を育てるときは、以下の2つの点に注意します

・地下茎が伸びることに注意する
・病害虫に注意する

日本の風情があって美しい竹ですが、注意点を理解して育てましょう。それぞれについてくわしく紹介します。

地下茎が伸びることに注意する

土中の茎が伸びて、隣の敷地からタケノコが生える場合があります。トラブルの原因になるので、対処が必要です。

竹は地下茎と呼ばれる、地下にある茎が成長して生息範囲を広げます。竹を植えた場所にとどめるには、周囲に溝を掘る対策をとります。溝の深さは30cmほど。地下茎は日光を嫌うので、溝より先に広がるのを防げます。

病害虫に注意する

竹で注意したい病害虫は、「てんぐ巣病」と「アブラムシ」です。てんぐ巣病にかかると竹が弱り、病気が進むと枯れてしまいます。また、発症している場合は、竹そのものの伐採を検討します。発症している箇所だけ切り落としても、また病気になる可能性があるためです。

アブラムシにとり付かれると、ウイルス性の病気にかかってしまいます。高さが低い竹であれば、殺虫スプレーでも対処可能です。予防する場合は、発生前の2月頃から薬剤を散布しましょう。

高いところにいるアブラムシの確認方法は、アリの存在です。アリが竹を登っていくようだと、上にはアブラムシがいる可能性があります。体から出る甘い汁に、アリがよってくるためです。

竹が大きく成長すると、噴霧器がないと薬剤が上まで届きません。対策したい場合は業者の利用も検討しましょう。

■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。

[プロが教える]庭木の病気・害虫対策!消毒の最適時期やおすすめ薬剤もご紹介!
うどんこ病やアブラムシなど、放っておくと枯死してしまう恐れがあるのが庭木の病気や害虫です。しかし、症状の見分け方がわからないため、対処方法もわからないという悩みを抱えていませんか。 この記事では庭木を病気や害虫から守りたい人に向けて、以下を...

まとめ

竹は風流な雰囲気が出せる、特殊な植物です。上手に活用すると、日本庭園のように仕上がります。しかし竹は大きく成長するため、育てる際は樹高が大きくなりすぎないよう、手入れが必要です。また病害虫も心配なので、剪定によって予防対策をしましょう。適切な管理がトラブルを防ぎます。
もし竹のお手入れで困った場合は、庭のプロ集団『庭.pro』へご相談ください。相談から手入れの悩みまで、お庭のプロ集団が寄り添います。皆様のお庭づくりのお手伝いができれば幸いです。

2024年1月25日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

ご注意ください!
自分で剪定する際に、
事故が発生しています。

想定外の設備不良や害虫との遭遇など、剪定中の様々な事故が発生しています。

  • 脚立から転落、
    頭をぶつけた 脚立から転落、頭をぶつけた

    庭で植木の剪定の作業をするため脚立で作業中、自分の足元の確認が不十分であったため脚立から転落し下にあった石に頭をぶつけた。
  • 蜂に刺され
    動けなくなった 蜂に刺され、動けなくなった

    樹木の剪定作業中、蜂の巣に気付かず蜂に刺され、まもなく動けなくなった。
  • トリマーの刃で
    右手小指裂傷 トリマーの刃で右手小指裂傷

    トリマーを使い刈り込み作業中、トリマーのエンジンを止めずに置き、刈って落ちた葉を整理していたため、トリマーの刃と右手小指が当たってしまい裂傷した。

引用:厚生労働省職場の安全サイト 労働災害事例(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pgm/SHISYO_FND.html)平成29年5月,7月

危険に遭遇した際には、思ったように体が動かないものです。
樹木の状態や周囲の状況に合わせた道具や準備で十分注意の上、怪我のないように作業を行いましょう。

自分でやるのは不安・・・
でも、誰に頼んだら良いか分からない、
そんな方は「庭.pro」にお問合せ下さい。

無料お見積り・
お問い合わせはこちら

[総合受付]
お庭と住まいのコンシェルジュ

受付時間/9時~17時 定休日/日曜・祝日

サービスエリア:岡山県
岡山市・倉敷市・総社市・玉野市・瀬戸内市・備前市・赤磐市・和気町・早島町

庭.proについて、
もっと知りたい方はこちら
サービス紹介
(庭.proが選ばれる理由)
図解入り剪定マニュアルをKGコンシェルジュのサイトでダウンロード図解入り剪定マニュアルをKGコンシェルジュのサイトでダウンロード

※関連サイト「KGコンシェルジュ」にリンクします。

剪定の基本のやり方を庭師が伝授します♪
剪定をやってみる?庭木の剪定の基本を庭師が伝授! 庭木の剪定には基本のやり方と剪定に適した時期があります。我々プロの庭師でも来年以降の樹形を考えながら行いますが、素人の方ならなおさらではないでしょうか。木の種類により剪定方法や時期などが異な...
剪定の切り方・切る場所・切り口の正しい方法を庭師が伝授します♪
剪定の切り方、切る場所、切り口は、正しい方法があります。正しい剪定の方法とは、剪定による樹体の損傷が極力少なくなるようにすることと、その後に腐朽など、将来に悪影響を及ぼさず、むしろ、剪定によって樹勢が蘇ったり、木が若返ったりできる手助けとな...
庭木の剪定時期一覧表(全143種の樹木別剪定時期年間カレンダー)
庭木の剪定は庭木や生垣などを美しく保つためには大変重要な作業ですが、剪定を行う時期はお正月を迎える前にキレイにしておこうと考えられる方が多いのも事実です。しかしながら実は剪定にはその木ごとに最適な時期とやり方があります。今回は庭木や生垣、シ...
庭木の移植に最適な時期と方法を庭師が伝授
樹齢55年のさくらの木の移植作業/岡山市北区 庭木の移植を考えるタイミングの多くは、お家の建て替えやリフォームの時です。樹木の移植は種類や大きさよりますが植えつけて5年以上経っていると根がしっかり張っているので何も考えずに移植してしまうと枯...
庭師の選び方|見極める重要なポイント
庭師の選び方|見極める重要なポイント 庭木の剪定や造園、お庭づくり、お庭のリフォームなどを行いたいときに、どの庭師や造園会社に依頼すれば良いのか分からないことが多いというお声をたくさん頂戴します。庭師にも、造園会社にも、それぞれ得意分野があ...
プロの庭師に依頼した場合の剪定費用と相場
思い入れのある庭木も、お手入れをしないと美しい状態のまま維持するのは難しいこと。剪定などのお手入れを怠るとすぐにボーボーになったり、お隣へご迷惑をかけてしまったりということもあります。これまでは自分でお手入れや剪定を行っていても、大きくなっ...
植木と剪定の専門用語集
お庭や植木の専門用語は普段使わない言葉や日常的に使ってる意味とは異なるものもあり、分かりにくいですよね。庭師の方に剪定などを頼んでも、植木用語が分かっていないとチンプンカンプン!DIYでお庭の手入れやメンテナンスを行うにも、基礎レベルを知っ...
岡山県の剪定・伐採・抜根サービス
料金・施工実例・お客様の声を詳しく紹介!岡山市・倉敷市・総社市・玉野市・瀬戸内市・備前市・赤磐市の庭木の剪定・伐採・抜根・庭木のお手入れ・メンテナンスなら庭.pro
目次に
戻る