玄関アプローチの不満を外構リフォームで解消したいと思っていても「何をどのようにしたらよいか分からない」という方もいるかと思います。そんな悩めるみなさんのためにおすすめしたい、玄関アプローチの不満を解消する10の対策を、こちらの記事で書いてみたいと思います。
昔ながらの玄関アプローチの例
玄関アプローチの不満を外構リフォームで解消!10の対策
①雑草対策
②目隠し対策
③水はけ対策
④足元の対策
⑤ユニバーサルデザイン対策
⑥降車後、風雨をよける対策
⑦駐車場対策
⑧エコ対策
⑨災害対策
古いブロック塀の問題
⑩動線対策
まとめ
玄関アプローチとは
「玄関アプローチ」とは、一般道路から、自宅の敷地内へ一歩足を踏み入れたところから、玄関ドアまでの道のりのことを言います。
玄関アプローチのエクステリアは、具体的には「歩道」と「歩道以外の外構(芝生や砂利、カーポート、玄関のステップ、スロープ、目隠し外構、照明、郵便受けなど)」です。大きく括れば、門扉やフェンスも、玄関アプローチの一環といえるでしょう。
玄関アプローチは、最初に入るところなので、家族のみならず、お客様にとっても一番印象に残る場所です。玄関アプローチをセンスよく、清潔に保てれば、他者から見て『この家の住人はハイセンスで清潔な人』という印象を持たれます。逆に、玄関周りがだらしないと、住人までだらしない人と思われてしまいかねません。玄関アプローチは、なるべく印象をよくしたいですよね。
昔ながらの玄関アプローチの例
こちらの画像は、昭和の住宅にありがちな、玄関アプローチです。土の上に飛び石の通路があり、雑草は生え放題……のはずですが、そうでもなさそうですね。
昔の記憶をたどってみても、”草ボーボー”のおうちは、自分の家や同級生の家にもあまりなかったような…?
どのご家庭の玄関も、この画像よりきれいに整理されていた記憶があります。
その理由は、昭和の時代は、まだ主婦の社会進出もあまりなく、また、祖父母が同居している家庭が多かったため、誰かがお庭を綺麗にメンテナンスしてくれていたのでしょう。大人になった今、やっとありがたみに気付かされます。
しかし、今の時代はそうではありません。核家族化が進み、夫婦共働きで、平日日中は家に誰もいないのは当たり前の世の中です。父は会社、母も会社かパート・アルバイト、子供は塾や習い事で毎日忙しく、やっとの休日にはクタクタで「庭仕事はしたくない」「遊びに行きたい」というのは仕方のないことなのだと思います。
そんな時代にマッチしているのが、ローメンテナンスで、誰にも優しい暮らしを実現する「玄関アプローチの外構リフォーム」です。
玄関アプローチの不満を外構リフォームで解消!10の対策
玄関アプローチの不満でよく聞かれるのは「雑草が生える」「道路から丸見え」「水はけが悪い」「足元が滑りやすい」「ベビーカーや車いすが通りにくい」「雨に濡れずに玄関に入りたい」「駐車しにくい」「エコに貢献したい」「震災時の不安」「動線が悪い」などが上げられると思います。
これらの不満を解消する「玄関アプローチの外構リフォーム」をご紹介します。
①雑草対策
玄関アプローチの一番の悩み事といえば「雑草」ではないでしょうか。冬の間は、地を這うようにして大人しかった雑草が、何かと忙しい春をバタバタと過ごしている間に月日が経ち、気付けば、雑草が人の背丈ほどにまで成長していた!などということがよくありますよね。真夏の炎天下で、長袖長ズボン、長靴に手袋をして行う雑草取りは、熱中症の危険性があり、悩みは深刻です。
しかし、雑草の悩みを解消するのはとても簡単です。雑草を防ぎたければ、土の部分を減らせばよいのです。防草シートの上に砂利を敷いたり、雑草が生えにくくなるよう芝生を敷いたり、ピンコロ石やタイルなどで敷石にしたりアイデアは色々あります。一番手っ取り早いのは、土間コンクリートで覆ってしまうことです。表面温度が上がりにくく、丈夫で長持ち、車が乗っても安心です。芝生やレンガ、砂利とのコラボもできますよ。
②目隠し対策
以前は敷地全体をフェンスで覆った「クローズド外構」が人気でしたが、最近の住宅は、フェンスや壁がない「オープン外構」が主流となっています。なぜなら、フェンスがない方が車の出入りがしやすく、覆う物がないので風通しや日当たりもよく、広々としているメリットがあるからです。逆にオープンになっている分、外から丸見えになってしまうデメリットがあります。
部屋着でくつろいだり、洗濯物を干したり、玄関を開けると室内が見えてしまうなど、生活感あふれるところを他者に見られるのは嫌ですよね。お年頃のお子さんがいるご家庭では特に気になるところです。そういったときには半オープン、半クローズドの「セミクローズド外構」がおすすめです。
完全に覆ってしまうのではなく、見せてもいいところはオープンに、見られたくない玄関先やリビング前には、目隠し外構を設置するとよいでしょう。郵便受けや照明、インターフォンなども取り付け、おしゃれな目隠し外構にすれば、一見、目隠しとは分からないかもしれません。
③水はけ対策
「大雨の後に水たまりがなかなか引かない」ということはありませんか。水はけが悪くなる原因は、土質の問題もありますが、土地自体が悪い場合があります。例えば、地名に「沼」や「川」など水に関係する町名がついていた場合、この場所にかつて沼や川が存在した可能性があります。
その場合、我が家だけの問題ではないので、土に砂利などをすき込んでもあまり効果はないでしょう。近くの空き地を見てください。日照り続きの真夏でも雑草が青々と茂っていたら、地下に水脈がある可能性があります。
こういった土地では玄関アプローチは土間コンクリートが望ましいですが、日当たりが悪い場所だと苔が生えやすくなるデメリットもあります。「水勾配」という水が流れる方向を促す施工や、あまりにもひどいようなら地下に管を通して水の通り道を作る「暗渠排水(あんきょはいすい)工事」が必要になってきます。信頼のおける専門業者に診断してもらい、水はけ対策を施しましょう。
④足元の対策
土がむき出しだと雨で玄関アプローチがぬかるんで、靴が泥だらけになってしまいます。玄関を汚さないようにするためにも、足元の対策が必要です。芝生や砂利を敷いただけでも、泥はねは防止できますが、それでも雨天時は、靴がびしょ濡れになってしまいます。そんな時は、玄関までの通り道に「飛び石」を置いたり、「敷石の小道」を作ったりするとよいでしょう。
お子様や高齢者など、足が弱い場合には、足元が滑りにくくなる「洗い出し」にするのもおすすめです。洗い出しとは、モルタルなどに小粒の砂利を混ぜてコテ塗りし、表面のモルタルを流して砂利を少し浮き立たせてから固める方法です。化粧砂利を使用すれば美しい外観になり、小石のザラザラした質感で滑りにくくなりますよ。ただし洗い出し施工は、作るのに手間がかかる分、普通の土間コンクリートより費用はお高めです。
⑤ユニバーサルデザイン対策
長い人生を考えると、「ユニバーサルデザイン」は念頭に置いておかないとならない対策かもしれません。ユニバーサルデザインとは、バリアフリーとは似て非なる言葉で、障がいのある・なしにかかわらず、誰にでも優しい設計ということです。高齢者や障がい者だけでなく、老若男女どんな方でも使いやすいデザインにすることを「ノーマライゼーション」とも言います。
具体的には、玄関のステップに手すりを付ける、車いすや電動カートで玄関に入れるように、緩やかなスロープを作る、歩道にむやみに段差を作らない、階段は一段一段を低く設定すること。つまずきにくく、滑りにくい素材を選ぶこと、などです。
スロープがあれば、子供が怪我をして松葉杖が必要になった時でも、またママがベビーカーを押しながらでも、無理なく上がることができます。更に、玄関の扉を開き戸ではなく、横に開閉する「引き戸」に変更すれば、玄関をなお広く使えるようになりますよ。
⑥降車後、風雨をよける対策
新築設計時は、限られた敷地内に、カーポートや玄関アプローチをまるでパズルのようにはめ込んで、配置を考えていたと思います。しかし、いざ暮らしてみたら、車を降りてから玄関までの道のりが不便だった、海や川からの横風が強い土地だった、などということもあります。
元気な時は、荒天でも玄関まで走ればいいことですが、負傷した時や、赤ちゃん連れだった場合、車から降りて横殴りの雨だと困ってしまいます。
そんな不満を「誰にとっても快適な暮らし」に作り替えるのは、外構リフォームの得意とするところです。カーポートには、後付けで雨風防止のサイドパネルを付けることができますし、カーポートから玄関までの通路にパーゴラ屋根を付ける方法もありますよ。
⑦駐車場対策
「柱があってカーブミラーが見えない」「何度も切り返さないと駐車場に入れない」などと言った、車の悩みはありませんか?車社会の地域などでは車は毎日乗るものなので、机上ではうまくいくはずだった駐車場が不便だと、ストレスになってしまいますよね。そんな時は、思い切って玄関アプローチの全面を使った「見せる駐車場」にリフォームしてもいいかもしれません。
地方では、車を2~3台所有するご家庭も多い中、無理してカーポートを端に寄せて縦列駐車場にすると、一人が出るたびに家族総動員で動かさねばならないという事態もありえます。そんな時は無理に縦列にこだわらず、玄関アプローチのメインに駐車場を持ってきて、かっこいいシャッターを組み合わせてクローズド外構風にしたり、芝生や植栽と組み合わせてナチュラルにしたりと、アイデアは無限に出てきそうです。画像のようにライトアップしても素敵ですよね。
⑧エコ対策
住宅街などでは比較的、緑が多い場合もありますが、都市部では太陽の照り返しやクーラーの室外機などによるヒートアイランド現象が懸念されます。地球のために何かできないかと、高い意識をお持ちの方も多いと思います。
玄関アプローチに芝生を取り入れたり、室内の温度上昇を抑えるシェードを取り付けたり、ソーラーパネルの照明で玄関アプローチの足元を照らしたり、外構リフォームでエコに貢献できる方法はいろいろあります。
その中でも、これからの未来を見据えて注目したいのが、電気自動車導入に向けた、玄関アプローチの外構リフォームです。今すぐ購入する意思がなくても、近い将来、エコで音も静かな電気自動車に買い替えることも予想できます。電気自動車はエコなだけでなく、災害時の役立ちアイテムとして大活躍するんですよ。次の⑨災害対策で詳しく記載します。
⑨災害対策
エコ対策と同時に災害対策にもなるのが、「V2H(Vehicle to Home)」という考え方です。V2Hを具体的に説明すると、電気自動車に蓄えた充電を、夜間や、災害による停電時に、家庭の電源として使えるようにするという仕組みです。
これは太陽光発電とも連結でき、電気の自給自足も夢ではありません。災害時にどこのガソリンスタンドも大行列だったこと、まだ記憶に新しいかと思います。駐車場を今すぐリフォームせずとも、近い将来身近になるかもしれない「V2H」という言葉だけでも覚えておきたいですね。
古いブロック塀の問題
災害対策と言えば、古いブロック塀の問題です。今も通学路に古いブロック塀があるのを見かけますが、もし垣根や軽いフェンスだったら、災害で崩れたとしても、救える命があるかもしれません。高すぎるブロック塀は閉塞的で通気性も悪く、日当たりも悪くなるので、あまり時代に即していないと言えるでしょう。古いブロック塀の撤去は自治体の補助が出ますので確認してみましょう。
⑩動線対策
玄関アプローチで「しまった!」と思うことの一つに、動線があります。「帰宅して車から降りた後、通路を通って、郵便受けに立ち寄り、玄関に入る」という一連の行動が、あっちへ立ち寄り、こっちへ立ち寄りと動きに無駄があると、毎日のことなのでイライラしてきます。そんな時には動線を考えた外構リフォームをおすすめします。
重い荷物を持っている時、ベビーカーを押している時、ケガをしている時などに、どこかに手間がないか、歩きやすい足元かなど、どんな時でも動線にストレスがないようするのがベストです。また、土地に高低差があり、駐車場が建物から一段低いところにあると言った場合には、今すぐでなくても、ここから車いすでどうやって上がるのか、未来に向けて想像してみましょう。
まとめ
玄関アプローチの不満を外構リフォームで解消する10の対策について書いてみました。こうしてみると、それぞれの悩みは、別の悩みとも連動していることが分かりますね。
「あったらいいな」は、外構リフォームで解決できることが沢山あります。今すぐリフォームする予定がなくても、相談に乗ってくれる専門業者があれば、より快適な暮らしを目指す「中・長期計画」を立てることができますね。信頼して長く付き合えるリフォーム業者が近くにいると安心です。
庭.proの安心基準
「庭.pro」では信頼できる地元の専門業者=プロをご紹介するための独自の評価基準を設けています。
お庭づくり、外構、エクステリアなどの専門家職人歴10年以上で造園施工管理技士・造園技能士・ブロック塀診断士・エクステリアプランナー・樹木医などの資格を持つ職人もしくは専門業者のみを厳選しています。
各種メーカー商品の豊富な品揃えとお客様のご要望を丁寧にヒアリングし、予算と美観のバランスの取れた外構・エクステリア・庭づくりを豊富な商品ラインナップ、経験からご提案します。不要なコストは抑えつつ施工次第で品質が大きく変わるお庭づくりに外構エクステリア工事は、安さ!のみではなく、信頼できる施工業者選びが重要です。
多様な趣味思考にも対応可能な職人や施工業者はそれぞれに特長や得意技術、こだわりを持ち合わせたプロ集団なので、どのようなご要望にも対応できるように取り組んでいます。
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2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎