いまさら聞けない?!石畳の玄関アプローチとは?

現代の住宅にもマッチする和庭

いまさら聞けないシリーズ、今回は「石畳」の玄関アプローチです。石畳の玄関アプローチって、ちょっと高価そうなイメージがありますが、石畳は、タイルやインターロッキングとは何が違うのでしょうか?この記事では、石畳の歴史や気になる相場、敷き方パターンや施工方法なども含めて、いまさら聞けない石畳の特徴をご紹介します。

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いまさら聞けない?!石畳の玄関アプローチとは?
石畳とは
▪タイルとの違い
▪インターロッキングとの違い
石畳の歴史
石畳の玄関アプローチの相場は?
石畳の玄関アプローチおすすめの敷き方5つ
①市松パターン
②馬踏みパターン
③四半敷きパターン
④短冊パターン
⑤乱張りパターン
石畳の玄関アプローチの施工方法
①整地して並べてみる
②地面を掘る
③砕石で基礎を作る
④敷き砂を敷く
⑤石材を並べる
⑥目地砂を入れる
【番外編】日本の石畳観光スポット3選
▼旧東海道石畳(神奈川県箱根町)
▼首里金城町石畳道(沖縄県那覇市)
▼倉敷美観地区(岡山県倉敷市)
まとめ

 

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石畳とは

広場や通路などに、一面に石が敷かれている舗装のことを「石畳」といいます。石畳の「畳」とは、和室に敷く畳のことで、「石が畳のようにプレート状に床に広がっている外構」という意味です。人や自動車(古くは馬車)が通りやすいように、石をびっしりと並べて舗装をするのが石畳です。石畳のメリットは、一般的な舗装と同様、歩きやすいように床を平らにすること、雑草を生えなくすることと、雨で地面がぬかるまないようにするものです。

一般的に、正方形や長方形、乱切りの石材が並んでいるのが石畳ですが、石の形やサイズに特に決まりはありません。通行しやすいように石畳の表面は平らになっていますが、つるつるに平らなわけではなく、石を割ったままの素朴な味わいで凸凹していて味わいがあります。

タイルとの違い

【画像出典 https://www.lixil.co.jp

石畳の玄関アプローチの表面だけ見ると、タイルと変わらないように見えます。なにがタイルと違うのでしょうか。石畳は、基本的に天然石でできており、立体的な石を使用しています。たとえば、サイコロのような高さのある立体的な石などです。

一方、タイルは粘土などで人工的に作られた板状の焼き物で、厚さが薄いので、タイル同士がかみ合って固定できるわけではないので、基本的にモルタルや専用接着剤でくっつける必要があります。地面にいきなり敷くのではなく、外構物をコンクリートで平らに作ってからの施工となります。

タイルの施工相場は、5㎡で約6万円ほどです。タイルも上質のものだともっと価格は高いのですが、主要メーカーで出している一般的な玄関アプローチに使用するタイルは、同じ外構面積を舗装する場合、石材よりも安価です。薄くて軽いので、運搬や施工も楽に行えます。

インターロッキングとの違い

インターロッキングも、石畳と同様、沢山の人が通行することを目的とした道路や広場の舗装に適しているという点では同じです。ぬかるみ防止、雑草防止となり、砕石や敷き砂などの基礎路盤の規格を守って施工すれば、大型トラックなどの重量車も通行できます。石畳もインターロッキングも、厚みがあって、素材同士がかみ合うので、モルタルで固める必要がなく、透水性もあるという点では、同じようなものと言えます。

しかし、石畳はブロック状に割り出した天然石、インターロッキングはコンクリートで作った人工の石材、という違いがあり、インターロッキングのほうがお安く仕上がります。石畳風のインターロッキングもたくさんありますよ。石畳は本物の石なので、風化して欠けてきてもよい雰囲気になりますが、インターロッキングの表面は塗装によるものなので、経年劣化により塗装がはげてコンクリートが見えてくるというデメリットがあります。

石畳の歴史

石畳は、古くから広場や道路など人が集まるところに造られてきました。石畳の街道といえば、古い洋画の中で馬車が走る舗道、といった欧米風のイメージがあるかもしれません。イタリアのアッピア街道や、ポンペイ遺跡の石畳などが有名ですよね。しかし、日本国内でも、古来より、街道や寺社仏閣などの参道に石畳が使われていました。

「石を畳みあげる」ということで、かつては「石段」のことも石畳と呼んでいました。寺社仏閣という神聖な場所で使われていた石畳は、神主や武将など高貴な人の家紋にも用いられていました。江戸時代には、人気歌舞伎役者の市松という人が、この石畳の模様の袴をはいたところから、石畳文様を「市松模様」と呼ぶようになったのだそうです。石畳が、人々の憧れの的だったのは、昔も今も同じようですね。

石畳の玄関アプローチの相場は?

石畳は使う素材によって価格が違うので、一概には言えないのですが、5㎡で約10万円くらいでしょうか。天然石を使用する分、価格はお高めになっています。たとえば、サイコロ状のピンコロ石は、ホームセンターの外構コーナーで、ひとつ100円ほどで見かけます。

しかし、石材にもピンからキリまであり、同じピンコロ石でも、ものによっては価格が数倍違う場合もあります。人気の国産石材の種類には、「御影石」や「鉄平石」「大谷石」などがあります。ちなみに、高級石材の代名詞である「大理石」は屋外の外構には向きませんので注意しましょう。

石畳の玄関アプローチおすすめの敷き方5つ

石畳のパターンには特に決まりはありませんので、お好きなように並べることができますが、石畳がしっくり収まる、人気の敷き方パターンを5つご紹介します。これら以外でも、洋風の玄関アプローチなら、ヘリンボーンなど洋レンガの伝統的なパターンでもよく合うでしょう。

①市松パターン

正方形(正確には立方体)の石を並べた市松模様が、オーソドックスな石畳の敷き方です。現代の日本は洋風の街並みが主流なので、市松模様から半目ずらした、正方形で作るレンガ敷きのようなパターンを多く見かけるかもしれません。市松模様の変化球で、正方形の石をまっすぐではなくウェーブに並べたり、太陽のようなサークル敷きや半サークル敷きになっていたり、皆さんのお住まいの近隣でもそういった華やかな石畳でできた公園や広場を見たことがあるかもしれません。

②馬踏みパターン

四角い石材を前段と後段で半分ずらして敷くことを「馬踏み(ばふみ・まぶみ)」といいます。いわゆるレンガの敷き方と同じパターンです。馬が踏んだ足跡のように、交互になっているところから「馬踏み目地」あるいは「馬目地」などと呼ばれています。オーソドックスで飽きの来ない敷き方です。「石を馬に踏む」といえばこのように半分ずつずらして敷くことだと、豆知識として覚えておきたいですね。

③四半敷きパターン

四半敷き(しはんじき)とは、正方形の石材を、斜め45度に回転させて並べていくパターンのことです。四半目地(しはんめじ)ともいいます。斜めの線により、狭いスペースを広く感じさせる効果がある昔からあるテクニックのひとつです。ぜひ真似してみたい敷き方ですね。しかし、この敷き方だと、端に半端なホームベース型に割った石が必要になります。

④短冊パターン

短冊パターンは、長方形の石(正確には直方体)を、前方に向かって縦長に敷く石畳のパターンです。参道など、進む方向が分かるようになっている道に使われることが多いようです。あえて短冊の長辺を横にする敷き方もありますが、その場合、両サイドの縁石は、進む方向に向かって縦長になっていることが多いようです。これも特に決まりというわけではないので、アイデア次第で色々短冊パターンをアレンジできそうですね。

⑤乱張りパターン

真四角ではなく、鋭角や鈍角のあるランダムな三角形、四角形、台形型の石材を、まるでモザイクアートのように組み合わせて仕上げた石畳を「乱張り」と呼びます。乱張りで特に有名なのが、長野県産の「鉄平石」です。
信州鉄平石は、薄く平らに剥離しやすい性質をもち、まるでタイルのようにエクステリアに使用できる天然石です。乱型に切り出して、薄く割れば、まさにモザイクのような芸術的な玄関アプローチに仕上がります。鉄平石のほかにも、バリエーション豊かな御影石の乱張り、ジュラストーンのような石灰岩の乱張りの玄関アプローチも素敵ですよ。

石畳の玄関アプローチの施工方法

ここでは、コンクリート基礎を施工しないタイプの石畳の施工方法を、簡単にですがご紹介します。石畳の石材は重たいので、施工するのもかなり骨が折れます。また、基礎がコンクリートでない場合、施工が甘いと石材がずれたり、一部の石材が浮いたり沈んだりする不陸が起こりやすくなります。そうなった場合の手直しの労力を考えると、石畳はDIYせずにプロにお任せする方が、かえって割安という考え方もありますね。

①整地して並べてみる

地面の雑草やゴミなどを取り除き、きれいに掃除します。まずは石畳を敷きたい場所に、石材を仮に置いてみて、どんな玄関アプローチになるのかイメージをつかむとよいでしょう。

②地面を掘る

石畳のイメージがつかめたら、その場所を平らに掘ります。「石材の厚さ+13cm」ほどの深さに掘ります。たとえば、石材の厚さが10cmだとしたら、クラッシャーランが10cm、敷き砂が3cmで、合計で23cmほど掘りましょう。掘れたら底面が平らになるように板などでならします。

③砕石で基礎を作る

石材の厚さ+基礎部分の深さに掘ることができたら、クラッシャーランと呼ばれる砕石を10cmほど敷き、丁寧に転圧します。転圧すると沈みますので、クラッシャーランをさらに追加してしっかり転圧した状態で10cmになるようにしましょう。

④敷き砂を敷く

※画像はイメージ合成です。実際の断面ではありません。

クラッシャーランがしっかり転圧できたら、石材との間に敷き砂の層を作ります。しっかり転圧した状態で2~3cm以上あるとよいでしょう。敷き砂はこの上に並べる石材のクッションとなります。敷き砂の転圧も大切です。レベル器でしっかり水平を出してください。

⑤石材を並べる

基礎部分の転圧が済んだら、玄関アプローチの石畳部分を造ります。用意した石材を並べて、ワクワク楽しい瞬間です。この時、石材が凸凹にならないように、両端に杭を打ち、水糸を貼って、まっすぐ水平に配置できるようにしましょう。石自体の厚さが違う場合もあるので、低ければ敷き砂を足し、飛び出ていれば、ゴムハンマーなどで叩いで沈めます。こまめにレベル器で水平を確認しましょう。

⑥目地砂を入れる

石材を並べたら、目地に砂を詰めて固定させます。しっかり上まで目地を詰めないと動いてしまいます。最後に水をかけて砂を落ち着かせたら完成です。

このように書くと、まるでレンガのDIYのように簡単そうに思うかもしれませんが、石畳は石材が重いのでかなり大変です。石一個が30kgなどざらにあります。数十キロの石を何度も何度も運んで、水平を出して・・・いったい休日を何日返上したらできあがるでしょうか・・・。
やはり、石畳の施工は、信頼できるエクステリア専門業者の職人さんにお願いする方がよさそうですね。

【番外編】日本の石畳観光スポット3選

エクステリアの話からは逸れてしまいますが、日本国内に現在でも残っている古い石畳があります。日本の石畳観光スポットとして「旧東海道石畳(神奈川県箱根町)」「首里金城町石畳道(沖縄県那覇市)」「倉敷美観地区(岡山県倉敷市)」をご紹介します。

▼旧東海道石畳(神奈川県箱根町)

箱根の旧東海道に現存する石畳です。箱根と言えば天下の難所「箱根八里」と呼ばれる急な坂道のある山道ですが、木々が鬱そうと茂る山道はひとたび雨が降るとぬかるんで、足を取られて大変だったそうです。江戸時代初期に、箱根越えが楽になるように石畳が造られました。今でもハイカーたちが訪れます。

▼首里金城町石畳道(沖縄県那覇市)

沖縄県那覇市金城町から首里城に続く、長さ300mの石畳道があります。古民家が立ち並び、風情のある石畳です。16世紀初めに作られたこの石畳は沖縄県指定文化財となっており、沖縄産の「琉球石灰岩」の乱張り敷きで作られています。

▼倉敷美観地区(岡山県倉敷市)

そして、岡山県の「倉敷美観地区」。岡山県民のみならず、県外からの観光客も多い「倉敷美観地区」ですが、最近では海外からの観光客の方にも人気の観光地として知られています。倉敷川沿いの、白壁と瓦屋根の歴史的建造物を再利用した古民家カフェや雑貨店などが建ち並び、歴史的ロマンを満喫できます。メインの通路はアスファルトですが、所々に石畳を観ることができ、風情のある街並みが楽しめますよ。

岡山県の石畳には、他にも「勝山の街並み保存地区」、パワースポット「石畳神社(岡山県総社市)」など、見どころは沢山あります。歴史的建造物に興味がある方は、ぜひ訪れてみてください。古く長く愛される石畳を観たら、ご自宅の石畳に、さらに愛着が湧くことでしょう。

まとめ

石畳は、タイルやインターロッキングと比べても、重厚感や高級感だけでなく、無機質にならず温かみもある玄関アプローチにふさわしいエクステリアです。他者とは違うワンランク上の玄関アプローチを求めている方にピッタリの外構に仕上がること間違いなしで、想像しただけで、期待で胸が高鳴りますね。

またその分職人さんのセンスや熟練の技術が問われる施工なので、せっかく石畳を施工するならば、腕のよい信頼できる専門業者と出会いたいですね。

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2022年4月25日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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