玄関アプローチに、レンガ造りのエクステリアって憧れますね。でもプロの職人さんに頼むとなんだか高そう・・・。
そんな時は思い切ってDIYしてみませんか?外構工事の中でもレンガ作りのエクステリアは手順を間違えず丁寧に行えば、素人でも作ることができるんですよ。
この記事では、初心者でも作れるレンガのDIY外構のやり方について書いてみたいと思います。
レンガの基本の敷き方
▼準備するもの
①地面のごみや雑草を取り除く
②地面を掘る
③転圧する
④防草シートを敷く
⑤敷き砂をする
⑥レベルを計る
⑦縁石を作る
※レンガの割り方
⑧レンガを敷く
⑨再びレベルを計る
⑩レンガに目地砂を入れる
⑪水を撒いて完成!
レンガの基本の積み方
▼準備するもの
①レンガを水に浸けておく
②整地をして、土を掘る
③実際のサイズにレンガを置いてみる
④1段目をモルタルで敷く
※モルタルの練り方
⑤1段目のレンガに目地を入れる
⑥2段目~3段目のレンガを積む
⑦モルタルを掃除して完成!
まとめ
まずは目的とプランニングから
玄関アプローチにレンガで何かエクステリアをDIYしたいと思ったときに、まずはどんな外構にしたいのか考えてみましょう。
お庭のリフォームなどを検討する際に多いのが「家族でバーベキューなどを楽しむ多目的スペースにしたい」、「移動しやすい小道を作りたい」、「室内から眺めて植物が美しく見える花壇が欲しい」「建物に調和した立ち水洗が欲しい」「ピザ窯を作りたい」などです。
イメージが固まったら、それは現実的かどうか考えてみましょう。思い描いたレンガの外構は、どのくらいの予算でできそうですか?どのくらいの時間がかかりそうでしょうか?施工する場所は確保できそうですか?
実現可能なプランであれば、あとは基本的な作業方法を学べば、比較的簡単にDIYすることができるかもしれません。
ご自分ひとりで不安な場合は家族、友人と一緒に作ってみるのも楽しいですよ。
まずはレンガでエクステリアをDIYする時の準備物や、手順、注意点などを確認してから検討しましょう。
レンガの基本の敷き方
こちらの章では、レンガの基本的な敷き方をご説明します。今回は「砂決め」という固定方法を行います。モルタルで固めるわけではないので、やり直しがきく外構という点で、初心者におすすめです。
なお、こちらは人や自転車が通るくらいの歩道を想定しています。車など重量物が乗り入れる場合は、また工程が変わってきますのでご注意下さいね。
▼準備するもの
レンガ、川砂、モルタル(縁の固定用)、目地砂、転圧機、防草シート、U字ピン、レンガタガネ、トンカチ、シャベル、(ツルハシ)、ホウキ、1×4などのまっすぐな板、水平器
①地面のごみや雑草を取り除く
レンガのエクステリアを敷きたい場所を、きれいに掃除します。雑草が生えていた場合は、まずきれいに草取りします。表面に石やガラス片などのごみがあれば、取り除きましょう。
もしこの場所が、水たまりになり、数日水が引かないような場所であれば、路床に土間コンクリートを敷く必要があるかもしれません。そうなったら初心者には難しいので、外構の専門業者に任せたほうがよいでしょう。
ここから先は、水はけの良い、何も問題のない土地だった場合を前提に、話を進めていきます。元々土間コンクリートがある玄関アプローチならば、工程の⑤「敷き砂をする」から始めてください。
②地面を掘る
レンガを敷く場合、レンガの厚み+下地分の厚さが必要になります。およそ、レンガの厚さの2倍ほどの深さに地面を掘ります。面が平らになるように掘ってください。
良い土が入っていれば、掘るのは簡単ですが、土地を造成した時に、かさ増しで「ガラ」と呼ばれるコンクリートや鉄骨などの建築廃材が入っていた場合は、シャベルで簡単に掘ることができませんので、ツルハシなどが必要になり、かなりの重労働になります。
ちなみに、そのとき出たガラや残土は産廃ごみとなり有料です。土嚢袋などに詰め、専門業者に引き取りを依頼しましょう。
③転圧する
土を掘って、路床ができたら、面が締まって平らになるように転圧します。転圧の機械は岡山でレンタルすることもできますが、そんなに広範囲でなければ、タンパー(あるいはタコ)と呼ばれる道具を使って人力で転圧します。タコがなければ、平らな面のある太い丸太などでも代用できますよ。
転圧して地面が締まったら、板切れなどを使って平らにならしましょう。
④防草シートを敷く
転圧して整地が済んだら、玄関アプローチに雑草が生えないよう、防草シートを敷きます。防草シートを敷いた方が今後のメンテナンスも楽になりますし、今からレンガ敷きを施工するにあたっても楽になります。
防草シートを敷いたら、U字ピンで防草シートの端を何ヶ所か固定しましょう。
⑤敷き砂をする
防草シートがきれいに張れたら、その上から敷き砂をします。最初に掘りあげた土がよい土なら、ふるいにかけて川砂と混ぜて使用も可能です。
敷き砂を入れたら平らにならし、また転圧し、実際にレンガを置いてみて、想定した玄関アプローチの高さになるように、敷き砂を足したり減らしたり調整しましょう。
板切れなどで平らにならしたら、その上はもう歩かないようにしてくださいね。またやり直しになってしまいますよ。
⑥レベルを計る
下地が完成したらレベル器などで水平を計ります。レベル器がなければ、反りのない1×4などの長い板切れで水平かどうかチェックします。隙間を発見したら砂を足しましょう。(勾配のある玄関アプローチならなるべく緩やかになるように)
※今回は水はけの良い岡山の住宅地を想定しており、透水性のあるレンガ敷きの施工をしているので、水勾配については気にしなくてよいでしょう。
⑦縁石を作る
敷きレンガの外構をするにあたり、初心者は最初に「縁石」を作っておくと分かりやすいですよ。(しかし、ケースバイケースで、きっちり長さを計らずにアバウトに並べたい場合は、後から縁を作った方がいい場合もあります)
レンガを並べる玄関アプローチが1cm単位できっちり決まっている場合は、先に縁取りをしましょう。今回の敷きレンガはモルタルで固めない方法ですが、縁石のレンガだけは動かないようモルタルで固めたほうがよいでしょう。
サイズを合わせるために、レンガは半割りや1/4割りなどのサイズが必要になります。レンガの割り方は以下のとおりです。
※レンガの割り方
レンガは簡単に自分で割ることができるんですよ。写真のような「レンガタガネ」という、幅の広いヘラのような形をしたレンガを切る道具を使います。レンガタガネはホームセンターや工具店で、1,000円ほどで入手できます。
レンガの切りたいところに鉛筆でしるしを書き、そこにレンガタガネを当てて、トンカチで打ちます。最初はおっかなびっくりかもしれませんが、コツをつかめば女性でも簡単に割ることができますよ。
目地があるので、サイズは少しくらい割れたり、ずれたりしても問題ありません。半分のサイズや1/4、三角に割ることもできますので、タガネを使いこなせるようになるとデザインの幅が広がります。また、レンガ専用ののこぎりもありますよ。
⑧レンガを敷く
ここまで来て、やっとレンガ敷きの工程です。レンガには様々な敷き方のパターンがあります。伝統的なパターンには「ランニングボンド」や「ヘリンボーン」「バスケットウィーブ」などがあり、これらを真似れば間違いないでしょう。
また、小さなレンガを使用して、まるで太陽のような形に並べるサークルパターンをアクセントに使う方法もありますよ。中級者以上の方はチャレンジしてみてくださいね。
⑨再びレベルを計る
レンガを少し敷いたら、縁石の高さと合っているか、長い板を渡してレベル器で計ってみましょう。レベル器がなければ、板をゆすってみて、がたつきがあれば、水平になっていない証拠です。隣同士のレンガの高さが揃っていないと、でこぼこして歩きにくく、つまずきやすくなり危険です。
⑩レンガに目地砂を入れる
レンガを並べ終わり、縁石から平らな板を渡しても、がたつかなくなったら、完成まであと一歩です。レンガの間に目地砂を埋めていきます。この時、せっかく並べたレンガを動かさないように気を付けましょう。
目地砂は、川砂でもいいですが、おしゃれな雰囲気にしたいなら「珪砂」がおすすめです。白珪砂、ローズピンク、イエローなどが販売されています。
⑪水を撒いて完成!
目地砂をまいたら、レンガを動かさないよう慎重にホウキで掃いて、レンガの隙間に砂を埋めてゆきます。砂の量が足りないと動いてしまいますので、上までしっかり目地砂を詰め込みます。
詰め終わったら、上からホースで水をまくと、しっかり締まり固まります。不思議なもので、モルタルを使わなくてもしっかり固定されますよ。
レンガの基本の積み方
レンガは、海外の古い建物によく使われているように、2階建て以上に高く積み上げることも可能です。玄関アプローチにはそこまで高く積む必要はありませんが、花壇や目隠しウォールなどを自分で作ってみたいですよね。慣れてきたらピザ窯も作ってみたい?!なんて夢は広がります。
こちらの章では『レンガの花壇』を例に、積みレンガのやり方をご紹介します。
▼準備するもの
レンガ、川砂、モルタル、水糸、杭、レンガタガネ、トンカチ、シャベル、水平器、メジャー、水を張ったタライ、レンガゴテ、目地ゴテ、フネ、ハンドホー、雑巾やスポンジ数個など
①レンガを水に浸けておく
大きなバケツやタライに水を張って、レンガを入れて浸けておきます。なぜなら、積みレンガはモルタルで固定するのですが、乾いたレンガを使用すると、モルタルから急速に水分を奪ってゆき、固まってしまい上手に積むことができません。
そこで、先にレンガにしっかり吸水しておくことで、慌てず作業することができるようになります。
②整地をして、土を掘る
花壇を作りたい場所の雑草を取り、ゴミなどを取り除きます。土を5cmほど掘り、平らにならします。この時、花壇のサイズより少し大きめに掘っておくと作業しやすくなりますよ。
③実際のサイズにレンガを置いてみる
整地が済んだら、1段目のレンガを、玄関アプローチの花壇のサイズに並べてみて、イメージをつかみます。レンガの厚み約6cm+目地1cmで計算して、何段積むか決めましょう。3段なら21cmほどの高さの花壇になります。サイズは多少ずれますので、場所に余裕を持って考えましょう。
積み方は、上段のレンガと下段のレンガを半分ほどずらして積む、「レンガ積み」と呼ばれる積み方をします。一番端に半分に割ったレンガを使うことになりますので、1/2のサイズのレンガが必要になります。(前章「※レンガの割り方」を参照のこと)
④1段目をモルタルで敷く
まず右端と左端に、基準になるよう杭を打ち、両方から水糸を引いて、高さが揃うようにします。地面にモルタルを、レンガゴテを使いレンガひとつ分ずつ敷いて、1段目を積んでいきましょう。高さがばらついたら、モルタルを足したり、モルタルが乾く前にゴムハンマーなどでレンガが割れないように叩いたりして、高さを調整します。この時こまめに水平器でレベルを計ります。
※モルタルの練り方
セメント:1に対して砂:4の割合で、フネと呼ばれる容器に入れ、水を加えて、ハンドホー(なければシャベル)で、耳たぶくらいの柔らかさになるようモルタルを練ります。モルタルは夏場や天気の良い日はすぐに乾いてしまうので、一度に大量に練るのではなく、少しずつ練っていくのが無駄なく上手に積むコツです。
初心者は特に作業に時間がかかるので、面倒かもしれませんがモルタルは少しずつ作りましょう。家族や友人と「積み係」と「モルタル係」に作業を分けて行うのもいいですね。
⑤1段目のレンガに目地を入れる
1段目が敷き終わったら、水平器でチェックしたのち、隣と隣のレンガの隙間に目地モルタルを入れ込みます。その時、上の写真のような「目地ゴテ」という細いコテを使い、モルタルを隙間に押し込みます。モルタルがはみ出て汚くなっても、ガチガチに固まる前に拭けばきれいになるので、この時点では気にしなくて大丈夫です。
花壇1段目のレンガの下2cmほどを、動かないように固めに練ったモルタルで固定しましょう。ここはあとで化粧砂利や芝などで隠します。今日は1段目だけで終了するつもりなら、モルタルが乾く前に、工程⑦のモルタルの掃除をしてくださいね。
⑥2段目~3段目のレンガを積む
2段目も、高さを見るため水糸を張り、1段目のレンガと互い違いになるように半分に割ったレンガからスタートします。時々、隣同士のレベルがあっているか、水平器で確認しましょう。でこぼこしていたらモルタルが乾く前にレンガを叩いて水平に直し、目地を埋めます。
まだ時間がかかりそうなら、途中で工程⑦のモルタルの掃除をしてください。モルタルが乾くと取れなくなってしまいます。特に3段目のレンガ積みは、一番上で見えるところなので丁寧に行いましょう。
⑦モルタルを掃除して完成!
水を含ませた雑巾やスポンジなどで、目地からはみでたモルタルを拭き取ります。乾くと取れなくなるので、モルタルが乾く前に行います。雑巾やスポンジはこまめに取り替えて、きれいなもので拭かないと、また汚れてしまいますよ。
できあがった花壇は2~3日乾かせば、完成です!花壇の中に培養土を入れて植物を植えこみますが、モルタルはアルカリ性なので、ブルーベリーやツツジ科の植物など酸性を好む植物は、最初は植えないほうがよいかもしれません。気になるようなら酸度チェックをして酸度調整をしてみてください。酸度チェック液はホームセンターにも売っていますよ。
まとめ
基本的な「敷きレンガ」と「積みレンガ」のDIYの方法を書いてみました。上手に作るコツは、水平を取ること、モルタルを作りすぎないこと、などを上げましたが、もう一つ、初心者でも上手に作れるコツをお教えします。
それは「アンティークレンガ」を使うことです。直線的なレンガを使うと、目地も直線でないと汚く見えるのですが、アンティークレンガなら角が風化して丸くなっているので、うっかり数ミリ曲がってしまっても、なんとなく「味わい」になってくれるのです。モルタルが薄っすらこびりついてもジャンクな雰囲気になってごまかしてくれますよ。
レンガの外構DIY、皆さんもぜひチャレンジしてみてくださいね。ご自分で作れたら、大きな自信にもなりますよ。
でも「こりゃぁ大変そうだなあ・・・」と思った方は是非地元のプロに相談してみてくださいね。
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「庭.pro」では信頼できる地元の専門業者=プロをご紹介するための独自の評価基準を設けています。
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2024年1月26日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎