洗い出しの玄関アプローチを庭師が解説

玄関アプローチの外構工事に「洗い出し」という加工方法があります。洗い出しとは、一体何なのでしょうか?「砂利と何が違うの?」とお思いの皆様に、知れば知るほど奥が深い、洗い出しの魅力をお伝えしたいと思います。この記事では、いまさら聞けない「洗い出し」の特徴や施工例を分かりやすく解説していきます。

いまさら聞けない?!洗い出しの玄関アプローチとは?
洗い出しとは
セメント洗い出し
樹脂洗い出し
豊富なカラーバリエーション
「三和土」と書いて何と読む?
洗い出しは簡単にはできない
洗い出しの工程
①下地の準備
②ノロセメント+砂利を敷く
化粧砂利のサイズと洗い出しの厚さ
③洗い流す
岡山県内でも作業時間は同じとは限らない
洗い出しによく似た工法5つ
①研ぎ出し
②テラゾー
③砂利ネット
④吹き付け
⑤フロアタイル
まとめ

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洗い出しとは

砂利を並べて固めたような舗装を見たことはないでしょうか。「洗い出し」または「石洗い出し」とは、ただ玄関アプローチに砂利を敷いただけではなく、セメントなどで化粧砂利を固めてプレート状にする外構素材のことです。玄関アプローチの床に敷く場合と、塀などの外構の壁に施す場合とがあります。石が浮き出ているので、面は平らではなく、ぼこぼこした触感になるのが特徴です。

洗い出しは、砂利の素晴らしい特性はそのままで、雨に濡れた時に美しさは顕著に表れ、玄関アプローチに意匠性を取り入れます。濡れると砂利が息を吹き返したようにつやつやと輝きを増し、まるでアートのような外観の高級感あふれるエクステリアとなり、ご自宅の玄関アプローチの顔となること間違いなしです。

下地にワイヤーメッシュを入れれば、車のような重量物が乗り入れることも可能ですし、玄関アプローチの歩道に使えば、雨天時の滑り止めの効果も期待できますよ。デメリットは、経年劣化により砂利の浮きや割れ、ひびの発生が起こりうることと、意匠性が高くベテランの職人を手配するため、予算相場がややお高めということでしょうか。

セメント洗い出し

「セメント洗い出し」とは、化粧砂利などの骨材をセメントに混ぜ、完全に固まりきらないうちに表面のセメントを洗い流して、砂利の頭が少し浮き出るようにする伝統的な左官工法です。

一般的に、玄関アプローチの洗い出しに使用する砂利のサイズは、2分(6mm前後)くらいが好ましいとされていますが、地面に敷く外構の洗い出しであれば、落下による危険もないため、大きめの玉石でも施工は可能です。

樹脂洗い出し

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セメントを使用しない、樹脂仕上げの洗い出しも人気があります。樹脂で固めるので透明感があり、砂利同士が密着して固まりあい、砂利の美しさを存分に味わうことができます。表面が樹脂でつややかなのは最初だけで、すぐに艶消しになりますので、テカりが安っぽいのでは?と気になる方でも安心です。画像の商品「リンクストーン」のような、砂利とウレタン樹脂のセットも販売しています。こういったキットは夏用、冬用がある場合があるので気を付けて購入しましょう。

デメリットは、セメントを使用していない分、同じ面積の玄関アプローチでも砂利を多く使用することと、過去にはセメントの洗い出しよりやや劣化が早いという口コミがありましたが、最近では持ちがだいぶ改良されて、また人気が上がってきました。

豊富なカラーバリエーション

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洗い出しは、化粧砂利の種類とセメントのカラーの組み合わせにより、仕上がりは多種多様、バリエーションが豊富です。上の画像「左官墨」は、セメントに墨を混ぜて黒くする商品で、いぶし銀の渋さに仕上がり、エクステリアに高級感を与えます。モノトーンや黒を基調にした玄関アプローチを好む方におすすめです。

また、「パーフェクチン」という商品はセメントに着色する顔料で、赤、青、黄色など、絵の具のようにカラーバリエーションがあり、混色も可能ですので、和風から洋風まで、ご自宅の雰囲気に合わせてカラーを作ることができますよ。

「三和土」と書いて何と読む?

洗い出し工法は、主に玄関アプローチのや、三和土などに使用されています。ところで、「三和土」は、なんと読むかご存じでしょうか。「さんわど」と読んでしまいそうですが、これは「たたき」と読みます。「玄関のたたき」と言えば聞いたことがありますよね。

三和土(たたき)とは、玄関の靴を脱ぐスペースのことです。昔の土間は、まだコンクリートがない時代に、赤土や真砂土と消石灰、にがりを混ぜて、地面をカチカチにしていました。それが本来の「三和土」ですが、転じて「玄関の床」の意味になりました。

現代では、三和土は玄関ポーチと同じタイルで作られるのが一般的ですが、ワンランク上の玄関を求めるならば、こだわりの洗い出し工法で、三和土と玄関ポーチを作ってみませんか?意匠性の高い素晴らしい玄関となりますよ。

洗い出しは簡単にはできない

洗い出しは、平らにしたセメントに、砂利をばらまいただけのように見えるかもしれませんが、その工程は緻密で、絶妙なタイミングで作業を行う必要があります。手慣れた職人でないと上手に作ることはできない工法です。左官屋さんの親方から弟子へ受け継がれる、伝統工芸のようなものと思ってもいいでしょう。以上のような理由で、洗い出しをご自分でDIYしようと思わない方がいいかもしれません。
次の章では、知識として知っておくために、簡単にですが、洗い出しのやり方について説明します。

洗い出しの工程

こちらの章では、「セメント洗い出し」のやり方を、実際の作業の細かい部分は省略して、簡単な流れを説明します。先に書いた通り、素人に簡単にできる作業ではありませんので、DIYはあまりおすすめしていません。洗い出しに興味を持たれた方は、岡山で信頼できるエクステリア専門業者に相談してみてください。もし、一部だけでもDIYしたいのであれば、洗い出しをよく熟知してから行うようにしてくださいね。

①下地の準備

洗い出しは、土や砂利の上には施工できません。コンクリートやモルタルで下地を作るところから始めます。元から土間コンクリートが打ってある場合は、表面をきれいに掃除します。下地の上に、接着をよくするため、ハイフレックスなどのプライマーを塗りつけましょう。

②ノロセメント+砂利を敷く

施工したい場所に型枠を作り、ノロと骨材(化粧砂利など)を混ぜたものを流し込みます。ノロとは、セメントに「水」だけを混ぜた、セメントのペースト状のもののことをいいます。(ちなみに、「モルタル」はセメントに砂と水が混ざったもの、「コンクリート」は砂と砂利と水が混ざったものです)

最初からノロに化粧砂利を混ぜ込む場合もあれば、ノロの上に沈まないようネットを広げ、ひとつひとつ化粧砂利を並べて、上にまたノロを敷く場合もあります。砂利を均等にするために、コテや板を使って表面をならします。ならし終えたら、水を落ち着かせるため、新聞紙などで吸水してもよいでしょう。水が引いたら硬化遅延材を塗布し、ビニールなどを被せましょう。

▶化粧砂利のサイズと洗い出しの厚さ

洗い出し工法は、混ぜた化粧砂利のサイズにより、厚さが変わってきます。2分の砂利で厚さ8mm~15mm前後、5分の砂利で厚さ20mm~30mm前後に仕上げるとよいでしょう。「セメント洗い出し」の1平米に必要な砂利の重さは、2分で20kg、5分で30kgほどが目安となっています。洗い出しのセメントと砂利の配合比率は、エクステリア業者や職人さんによりまちまちですが、「セメント1:砂利2~2.5」を目安に配合します。

③洗い流す

ゆるすぎず、乾きすぎずの絶妙な硬化のタイミングになったら、ビニールをはがし、刷毛やスポンジを使って流水で表面を洗い流します。砂利の頭が少し見えるくらいに均一になるよう、優しくセメントを取り除きます。表面を綺麗に流せたら、完全に硬化するのを待ちましょう。型枠を外せば完成です。

▶どこでも作業時間は同じとは限らない

洗い流すまでの硬化時間は、早すぎると化粧砂利まで流れてしまいますし、遅すぎると硬化して化粧砂利が浮き立ってくれません。流すタイミングは硬化の具合により、北国と南国では違うのはもちろんのこと、同じ県内でも県北・県南で異なり、季節によっても変わってきます。

また、晴れか曇りか、日当たりのよい場所か、日陰か、風通しの良い場所か、などなど、気候や施工環境によって変わってくるので、工程時間をマニュアル化することができず、ベテラン職人の感覚だけが頼りです。だからこそ、経験の少ない職人や一般人には、簡単にできることではないのです。

洗い出しによく似た工法5つ

「洗い出しによく似た工法」がいくつかありますが、こちらでは5点ご紹介したいと思います。洗い出しは、硬化する前のモルタルを、流水で流すときに、そのセメント水で他の場所を汚してしまうというデメリットがあります。路地であればそのまま流してしまうところですが、室内や、上階の外壁など、汚水が垂れて汚すわけにはいかない場所では、洗い出しは一見不可能と思われますよね。そんな時に洗い出しによく似た工法が取られる場合があります。

①研ぎ出し

「研ぎ出し」とは、セメントやレジンに擬石などの骨材を混ぜ、乾燥させてからすぐに、砥石やグラインダーで表面を研ぐ工法で、「人造石研ぎ出し仕上げ」などと呼ばれています。目の粗いヤスリから細かいヤスリまで順にヤスリかけをし、最後に水ヤスリをかけて、表面がツルツルになるのが特徴です。デメリットは、表面を研磨するときに出る粉塵が舞うのが難点です。

研ぎ出しの床にクラックが出にくくなるよう、2~3mおきに真鍮の目地を入れるのが一般的です。研ぎ出しは、次に記す「テラゾー」と同意語に使われることもあります。

②テラゾー

「テラゾー」とは、天然大理石の粉砕を、セメントやレジンで固めた人工素材で「人造大理石」とも呼ばれています。人造大理石は「人工大理石」とは違い、本物の大理石の粉砕が使われているのが特徴です。

本物の大理石の床材は大変高価なものですが、大理石の床の代用品として、安価にゴージャス感を出すため、このテラゾーが昭和の時代はよく使われていました。時代はゴージャスからナチュラル志向にシフトしたため一旦ブームは去り、一時見かけなくなりましたが、また流行りそうな兆しがあるそうですよ。

③砂利ネット

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小石がネット状のシートになっていて、タイルのように貼り付けることができる素材です。室内、屋外両方に利用できますが、主に、洗い出しができない室内の壁や、細かいパーツなどによく使われます。ネットなので、折り曲げ、カットも容易にでき、花壇やブロック塀(フェンスの下の部分)などの壁などを化粧することができます。取り扱いがあるかどうか、エクステリア専門業者に尋ねてみてくださいね。

④吹き付け

建物の外壁塗装などで使われる、スプレーガンで微細な粒を吹きつける工法です。砂粒がざらざらした、艶消しの仕上がりで、「リシン仕上げ」とも呼ばれています。モルタル壁や、サイディングにシーラーを吹き付けた上に、細かくした小石や砂のような骨材を吹き付けて、壁に立体感を出します。表面をブラシなどで掻き落とす方法もあります。

この工法も、昭和から平成初期くらいまではよく見かけましたが、今は、スプレーガンは飛び散りなどで手間がかかることと、施工できる業者が限られてくるため、あまり見られなくなりました。もし検討中であれば施工可能なのか、エクステリア専門業者としっかり打ち合わせをしましょう。

⑤フロアタイル

画像出典:sangetsu https://www.sangetsu.co.jp/

こちらは室内用のフロアタイルです。屋内の玄関など使用する場所はある程度限られますが、まるで本物のような質感で、手軽に貼ることができるためDIYで重宝しそうな素材です。和風のお店などによく似あいそうですね。

まとめ

「洗い出し工法は、素人DIYで簡単にできるものではない」ということを繰り返しお伝えしてきましたが、小さな踏み石のひとつふたつくらいなら、ご自分でやってみる価値はあるかもしれません。
たとえば、骨材の化粧砂利に、ご家族で旅行したの思い出の貝殻を混ぜてみたり、お子さんがまだ小さいときに遊んでいたビー玉などを埋め込んだり、といったアイデアです。子供たちも一緒にお手伝いすれば、家族のよい思い出にもなりますね。

ただし、広い部分を施工するときは、やはり専門のエクステリア業者に依頼し、ベテランの職人さんを手配してもらいましょう。高級感あふれる素晴らしいエクステリアになること間違いなしです。

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2024年1月26日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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