樹高10m越えの桜の木の伐採について

神奈川県横浜市のお客様より「庭の高さ10メートルぐらいの桜の木の伐採をお願いしたいのですが、どれぐらい費用がかかりますか?」とご相談いただきました。

ホームページのお問い合わせフォームからお写真を2枚送ってくださっていたので、それを見ただけで桜の木の大きさに驚いたともに、「これは簡単にはいかなさそうだな・・・」と難易度の高さも想像できました。

まず高さはハシゴが届くようなサイズではないので、剪定するだけでも相当熟練した庭師さんでないと無理な大きさですし、幹も太く搬出するのには重機も必要なことが分かります。

お客様にお電話で詳細をお伺いしたところ、ご高齢のお母様が一人暮らしのお宅で、いつの間にか屋根を超える高さにまで成長してしまい、枝が折れたり木が倒れたりしてお隣に迷惑をかけるのではとお母様がずっと心配されているとのことでした。

そこでまずは庭師さんに現地調査をお願いしました。ご依頼主はお仕事とのことだったので、現地に着いた庭師さんとお電話でお話しながらの調査です。

下から見ても・・・想像以上に大きい!やはり10mは超えていそうです。

そして幹もかなり上までこんなに太く、幹の直径が約70㎝、幹周り210㎝を超えるサイズで、全体的に傾いていることが心配です。

はっきりした樹齢はわかりませんが、あちこちに腐朽も見られ、もしかすると中が空洞化している可能性もあります。

このような樹高が大きく幹も太い大木を伐採する場合、本来は人が乗れるカゴ付きクレーンでチェーンソーを使って切断しながら枝をクレーンで下し、伐採した幹もクレーンで釣り上げて敷地外へ出すという作業であれば、そんなに時間を要することなく伐採が可能です。

しかし、こちらのお宅の場合、近隣の道路事情と敷地の環境からクレーン車が入れるスペースがなく、人力での作業しかできないことが分かりました。

つまり、庭師さんが木に登って、太い枝を切っては人力で下すという「枝おろし剪定」という作業なのですが、高さ10m越えでこれほどの大木なのでかなり危険を伴います。

また切ったばかりの木は水分を含んでいるため非常に重く、直径70㎝の幹は薄さ10㎝でも簡単に持ち運べる重さではないので、運べる重さになる様に薄くスライス状にして運ぶという時間と労力もかかります。

さらに屋根の上にかかった枝を切断したり下ろしたりする際、屋根のトタン部分少しでも当たってしまうと破損する危険性があるので、すべてを覆ってから作業する必要があること、その他にも隣接地を通る搬出経路の確保や、その周りの破損防止のための養生など、様々な準備と安全対策が必要になることが分かりました。

お客様にはここまでの概要とおおよその概算費用をお電話でお伝えさせていただき、ご家族で一度相談されることになりました。想定外の費用がかかるとなれば慎重に検討されるのもごもっともです。もし他社さんで施工することになったとしても、安全に施工してくれる業者さんに出会えることを願います。

このような現場の状況は写真やGoogleMapで見ただけではわからないことも多く、職人さんが実際に現地を見て、作業面と安全面の観点から作業工程と必要な準備を想定して算出する必要があります。

庭.proでもお写真だけで概算見積をさせていただくこともありますが、こうしたことからできるだけ現地調査をさせていただく様にお願いしています。

庭木1本の剪定であっても高さや枝ぶりの他に、「ハシゴを掛けらるのか」「切り枝を搬出するルートはどれくらいの距離か」「破損しやすいものはないか」「隣家の敷地に影響はないか」など様々な要因をチェックしています。

「ネットで簡単に見積が出て安くできると言われて頼んだら後から高額な費用がかかってしまった」なんてことにならない様に、立ち合いなしでも構いませんので、できるだけ現地を拝見させていただける様、ご協力を宜しくお願い致します!

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