【シャラ(沙羅)】剪定の基本を庭師が伝授

梅雨時期から初夏にかけて、ひときわ大きい花を咲かせる「シャラ(沙羅)の木」

「いつごろ剪定したらいいんだろう」
「自分で剪定するには何に気をつければいいのかな」

などと悩んではいませんか。自分で剪定したい気持ちはあっても、失敗はしたくないものですよね。そこでこの記事ではシャラの木について、以下の内容を紹介します。

・シャラの基本情報と特徴
・剪定時期や方法
・育て方や注意点

この記事を読めば、シャラの木を自分で剪定できるようになります。剪定するメリットやコツも紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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目次

シャラ(沙羅)の木の基礎知識
シャラ(沙羅)の木の特徴
シャラ(沙羅)の木の種類
シャラ(沙羅)の木を剪定する時期
シャラ(沙羅)の木の剪定方法
シャラ(沙羅)の木の剪定時のコツ
シャラ(沙羅)の木の剪定時の注意点
枝を落とす位置に注意する
チャドクガの毛に触れないようにする
シャラ(沙羅)の木を剪定するメリット
シャラ(沙羅)の木の育て方
シャラ(沙羅)の木で気を付けたい病害虫
害虫はチャドクガに気を付ける
病気は灰色カビ病に気を付ける
まとめ
自分での剪定は事故に注意!

シャラ(沙羅)の木の基礎知識

シャラの木は別名「ナツツバキ」として親しまれています。ナツツバキの名の由来は、葉や花がツバキに似ていて、開花の時期が夏であることからきています。
冷涼で湿潤な場所に生え、北は北海道南部、南は九州まで栽培可能な樹木です。皇居内にも植えられていて、6~7月頃には白い花が咲き、お庭を彩ります。

学名:Stewartia pseudocamellia
科名:ツバキ科
属名:ナツツバキ属
和名:ナツツバキ
英名:Japanese stewartia
常落性:落葉性の高木
樹高:10~20m
開花期:6~7月頃
日照:半日陰
花色:白、ピンク
結実期:9~10月
剪定時期:11~3月(厳寒期を除く)
花言葉:愛らしさ、哀愁など

シャラ(沙羅)の木の特徴

シャラの木は落葉する広葉樹で、剪定せずに育てると20mほどの大きさに成長します。樹皮がはがれる特徴があり、「サルスベリ」とも呼ばれています。サルスベリという樹木も存在するので、混同しないようにしましょう。
花は白を基本としますが、稀に一部ピンクの品種も存在します。一日しか花がもたないため、はかない庭木です。東側や北側での植え場所が最適で、西日を嫌う特徴があります。

シャラ(沙羅)の木の種類

シャラの木と名前が似ている樹木に「ヒメシャラ」があります。別名アカラギと呼ばれていて、赤褐色に色づく幹の肌が名前の由来です。
葉が小さく、シャラの別名ナツツバキと違って、ツバキには似ていません。ヒメシャラも樹皮が薄く、剥がれ落ちる性質があります。葉の紅葉がゆっくり進む特徴があり、秋には他の庭木との違いを楽しめるでしょう。
シャラの木とも含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。

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シャラ(沙羅)の木を剪定する時期

シャラの木の剪定時期は、落葉している11~3月です。落葉時は休眠期にあたるので、剪定によるダメージが少ないです。10月頃からでも剪定は可能ですが、落葉している時期以外で剪定すると木が弱ります。
樹木が弱まると、簡単に病気にかかったり、害虫が付きやすくなったりします。被害が広がると枯れてしまう可能性があるので、落葉期以外で剪定する場合には注意しましょう。

シャラ(沙羅)の木の剪定方法

シャラの木は「枝透かし剪定」を行います。自然な樹形が美しい庭木なので、樹形を整えるより徒長枝や内側に向いた不要な枝などを取り除くとよいでしょう。
不要な枝をわかりやすく図解していますので、剪定の際はこちらを参考にしてください。

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シャラの木は繊細なため、切り口の保護が欠かせません。剪定後は、「癒合剤」と呼ばれる切り口を保護する薬を必ずぬります。癒合剤を塗ると傷口から病原菌が入ることを防いだり、治癒を早めたりできます。

またシャラの木は大きく育つと樹高が20m近くまで成長するため、お庭の広さに合わせて樹高を調整したいところ。剪定の際は、上への高さを調節しながら枝を落としましょう。

シャラ(沙羅)の木の剪定時のコツ

シャラの木の剪定のコツは、枯れた枝を落とすことです。枝同士が重なったり、内側に向いたりすると、枝に日光が当たらずに枯れてしまいます。枯れてしまった枝は、手で取り除くことが可能なので、剪定前に取り除くと、作業がしやすくなるでしょう。日当たりだけでなく風通しも良くなりますよ。
枯れ枝処理は新芽の出る5~6月頃がおすすめです。芽の有無で枯れ枝が簡単に判別できます。剪定適期である冬は、枯れ枝と生きている枝が判別しにくいので、手で折り曲げ、簡単に折れるものを取り除きましょう。

シャラ(沙羅)の木の剪定時の注意点

シャラの木の剪定時の注意点は、以下の2つが挙げられます。

・枝を落とす位置に注意する
・チャドクガの毛に触れないようにする

それぞれの注意点を説明しますので、剪定作業前に理解して、スムーズに進めましょう。

枝を落とす位置に注意する

枝を途中から切ると、切断部より下部が枯れることがあります。また、切断した箇所からは葉が勢いよく生い茂るので、かえって葉が密集する原因になります。
そのため、剪定の際は枝の根元から切り落とします。枝を落とすくわしい位置は、図解で示してあるこちらを参考にしてください。

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チャドクガの毛に触れないようにする

シャラの木には、「チャドクガ」と呼ばれる毛虫が付きます。チャドクガの毛には毒があり、触れると皮膚炎を起こしてしまうため、注意が必要です。
シャラの木は軽い剪定であれば10月頃から可能で、ちょうどチャドクガの発生時期と重なります。また、枯れ枝を処理する5~6月も同様です。
手入れの際には肌を出さないようにし、ゴム手袋などを着用しましょう。また、風で毛が飛んでくることもあるので、天候の穏やかな日に剪定します。

シャラ(沙羅)の木を剪定するメリット

シャラの木を剪定するメリットは「病害虫の予防効果」と、「枝同士のこすれ防止」です。剪定によって日当たりや風通しを良くすると、病害虫が付きにくくなります。
また、シャラの木の樹皮は薄く、枝がこすれて傷みやすい庭木です。枝が密集していると、風で枝同士がこすれやすく、すぐに傷みます。剪定によってすき間を空けて、枝同士がこすれるのを防ぎましょう。

ご注意ください!
自分で剪定する際に、
事故が発生しています。
設備不良による転倒や、害虫との接触など、剪定中の事故が発生しています。十分注意の上、怪我のないように、作業を行いましょう。 設備不良による転倒や、害虫との接触など、剪定中の事故が発生しています。十分注意の上、怪我のないように、作業を行いましょう。
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シャラ(沙羅)の木の育て方

シャラの木の植え付け時期は、落葉している11~3月に行います。寒さで弱る1~2月の厳寒期はさけたほうがよいです。
シャラの木は明るい日陰を好みます。植え付ける場所は、風通しが良いところを選び、病害虫にも備えるとよいでしょう。ただし、乾燥が苦手なので水やりには配慮します。とくに夏場は、乾燥したら水やりをたっぷり行います。
肥料は特に必要のない庭木ですが、花付きが悪い場合は、緩効性肥料を8~9月頃に与える程度でよいでしょう。

シャラ(沙羅)の木で気を付けたい病害虫

シャラの木で気を付けたい病害虫は「チャドクガ」と「灰色カビ病」です。2つの病害虫について、くわしく解説します。

害虫はチャドクガに気を付ける

チャドクガは葉を食べる害虫で、ひどいときには木全体の葉を食べきってしまいます。葉を数枚食べる程度であれば問題ありません。しかし、放っておくと範囲を広げ、シャラの木を弱らせる原因になります。
チャドクガにとりつかれているか見極める方法は、変色している葉の有無を観察するのが有効的です。発生すると一箇所に集まるので、発見した場合は枝ごと切り落とし処分しましょう。再び発生するのを防ぐためには、農薬散布がおすすめです。晴れた日の夕方に行うと、薬剤で葉が焼けてしまうのを防げます。

病気は灰色カビ病に気を付ける

風に乗ってやってくる菌糸状の病気で、葉だけではなく、枝や花などにも感染する厄介な病気です。発症した箇所は腐ってしまい、灰色のカビのようなもので覆われます。
枝や茎が感染すると、発症部より上側が枯れてしまうため、発症しているのを見かけたら、すぐさま取り除きます。処理の際はお庭などに放置せず、ゴミ袋に入れて処分するようにしましょう。地面に置いたままにすると風で菌が飛散し、再発の恐れがあります。
一度でも感染したということは、「再び病気が発生する可能性のある環境」ということです。できれば再発防止のために、風通しの良い場所への植え替えなどを検討しましょう。環境を改善できない場合は、農薬を散布します。

■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。

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まとめ

「シャラの木」は別名「ナツツバキ」と呼ばれる通り、ツバキに似た花と、すべすべとした独特の幹肌が美しい木です。観賞価値を維持するためには、病害虫の対策が欠かせません。剪定は病害虫を寄せ付けないために有効な手段です。

シャラの木の剪定が不安がある方は、ぜひ庭のプロ集団『庭.pro』へご相談ください。

庭のプロ集団が、お庭づくりのお手伝いに伺います。見積もりやご相談は無料ですので、お気軽にご相談下さい。皆様のお庭づくりのお手伝いをさせていただければ幸いです。

2024年1月26日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

ご注意ください!
自分で剪定する際に、
事故が発生しています。

想定外の設備不良や害虫との遭遇など、剪定中の様々な事故が発生しています。

  • 脚立から転落、
    頭をぶつけた 脚立から転落、頭をぶつけた

    庭で植木の剪定の作業をするため脚立で作業中、自分の足元の確認が不十分であったため脚立から転落し下にあった石に頭をぶつけた。
  • 蜂に刺され
    動けなくなった 蜂に刺され、動けなくなった

    樹木の剪定作業中、蜂の巣に気付かず蜂に刺され、まもなく動けなくなった。
  • トリマーの刃で
    右手小指裂傷 トリマーの刃で右手小指裂傷

    トリマーを使い刈り込み作業中、トリマーのエンジンを止めずに置き、刈って落ちた葉を整理していたため、トリマーの刃と右手小指が当たってしまい裂傷した。

引用:厚生労働省職場の安全サイト 労働災害事例(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pgm/SHISYO_FND.html)平成29年5月,7月

危険に遭遇した際には、思ったように体が動かないものです。
樹木の状態や周囲の状況に合わせた道具や準備で十分注意の上、怪我のないように作業を行いましょう。

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