高くなりすぎた木の剪定の時期とやり方を庭師が伝授します。
「庭木が大きくなりすぎて隣家まではみ出している」「庭木が育ちすぎて歩道まではみ出している」「高くなりすぎて、自分では手に負えない」このような状況から、困り果てて連絡をいただくケースが増えています。
道路や隣家の敷地に枝葉が飛び出した場合、隣家とのトラブルや事故に発展してしまう場合もあるので、できるだけ早めに対処しておきたいものです。
こちらでは、大きくなりすぎた庭木の高さを抑える、「切り戻し」「芯止め」の剪定方法で、生長を抑えて高さを低く保つ方法をご案内していますが、高くなりすぎた木の剪定や伐採は、高所での作業となり、危険が伴う場合もあるため、ご自身での対処が難しいと感じられたら、プロに任せた方が安心です。
このページでは高くなりすぎた木の剪定の時期とやり方をプロの庭師が伝授いたします。
目次
高くなり過ぎた木の剪定時期
切り戻し剪定
芯止め剪定
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
高くなり過ぎた木の剪定時期
木の剪定に適した時期は、樹種により異なります。剪定の適期以外の時期に木を切ることは大きなダメージとなり、枯れの元になることもあるため、樹種に適した剪定時期で行いましょう。
常緑広葉樹の剪定時期
常緑広葉樹の剪定適期は、3月~4月、又は、5月下旬~6月頃です。
主な常緑広葉樹
アオキ、アセビ、シマトネリコ、キンモクセイ、ソヨゴ、オリーブ、クリスマスホーリー、ナンテン、レッドロビンなど
常緑針葉樹の剪定時期
常緑針葉樹の剪定時期は、3月~4月頃です。
常緑針葉樹の高さを抑えるような強剪定は新芽が出る前の3月~4月頃が適期ですが、夏に伸びた枝を透かす軽剪定であれば9月~11月頃でも可能です。
主な常緑針葉樹
落葉樹広葉樹の剪定時期
落葉広葉樹の剪定時期は、12月~2月頃です。
落葉広葉樹の剪定適期は木の休眠期である、12月~2月頃が基本です。この休眠期であれば太めの枝をおろす、強剪定でも、木にあまり負担をかけることなく行えます。
主な落葉広葉樹
アオハダ、アオダモ、アジサイ、エゴノキ、カキ、ジューンベリー、ハナミズキ、モミジ、ヤマボウシ、ユキヤナギなど
樹木の詳しい剪定時期はこちらから
切り戻し剪定
庭木の高さを抑えるには切り戻し剪定を行いましょう。
切り戻し剪定とは、樹高を抑えるために、枝葉の茂り具合を考慮し、樹冠を一回り小さくする剪定方法。樹形を保ったまま樹冠を小さくしたり、形を作り直したりする剪定方法のことです。
切り戻し剪定では、高くなった樹高を低く抑えるために、全体的に枝を1/2~1/3程度で切りましょう。また切り戻し剪定を行い際には、不要枝も同時に切っておきましょう
不要枝と切り方はこちらから
芯止め剪定
芯止め前 | 芯止め後 |
芯止めとは、樹幹の先端まで伸びた幹や枝の先端を切り、その高さ以上に伸びないようにする剪定方法です。樹幹の先端には枝が上への伸びていく成長点があり、この成長点を取り除くことで先端の生長を止め、脇芽の生長を促すこととなります。
芯止めを行う時期
芯止めを行う適期は、落葉樹は休眠期の12月~2月、常緑樹は5月頃が適期ですが、基本的に芯止めは、生長の早い時期に行い、樹高を制御するためのものですから、目的の高さへ樹高が到達する頃を見計らって行いましょう。
芯止めの方法
芯止めの方法は、主幹を目標の高さに切り落とすだけですが、木にとって一番大切な幹を切ってしまうため、菌が入ったら影響がすぐに木全体にまわることもあるため、必ず切り口には保護剤を用いておきましょう。
不要枝と切り方はこちらから
あわせて知っておきたい剪定の基本
まとめ
大きくなりすぎた庭木は、放置してしまうと、隣家トラブルなどに発展することがあります。そうならないためにも、早めに対処していただく必要があります。
大きくなり過ぎた木の剪定や伐採は、自分で行うことも可能ですが、剪定の時期や方法を正しく行うことが最も重要ですし、高所での作業となるため、無理をせずプロにお任せいただく方が良いかも知れません。
お庭に植える樹木選びから、剪定やお世話などまで、庭のプロ集団『庭.pro』までご相談ください。綺麗な庭で皆様の暮らしが豊かになれば幸いです。
2024年1月26日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎