今年もお庭に出ると「蚊」の襲撃を受けて、長時間お庭に居るのかおっくうになる季節になりました。毎年「蚊」には悩まされていますが、抜本的な対策ってないよねとのお声もお聞きします。
お庭で「蚊」に悩まされないようにするには、「蚊」の発生しない環境にすることと、「蚊」が発生したら効果的な対策をすぐ行うことです。
このページでは、お庭で良く見かける「蚊」の特徴、「蚊」を発生させない庭作りのポイントと「蚊」に悩まされない効果ある対策方法をプロの庭師が解説致します。
お庭にいる蚊
ヒトスジシマカ (やぶ蚊) | アカイエカ | チカイエカ |
画像出展:国立感染症研究所昆虫医学部
世界には3,500種類以上の蚊がいますが、日本では100種類ほどが存在していて、 そのなかでも、お家やお庭で見かける人を刺して血を吸うのは「ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)」「アカイエカ」「チカイエカ」3種類が代表的な蚊です。
日本のお庭などで見かける蚊の発生時期は4月~10月頃で、人の血を吸う蚊はメスのみでオスは吸血せず、花の蜜などを吸っています。メスが血を吸うのは、産卵のための栄養源としてで、人が出す炭酸ガスや皮膚のニオイや温度を感知して飛んできます。
蚊は種類によって吸血する時間が異なり、アカイエカは夕方から夜にかけて、ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)は昼から夕方にかけて吸血します。また、街中や地下鉄などで見かける蚊はチカイエカで、この蚊は年中発生する蚊です。
お庭で良く見られる、アカイエカやヒトスジシマカ(ヤブ蚊)は、水のあるところに卵を産み付け、幼虫(ボウフラ)時代を水の中で過ごし、卵から約10日程度で成虫になります。卵を産み付ける場所は、ごく少量の水があれば産み付けが可能で、池や下水溝、浄化槽、水田、古タイヤ、墓地の花立、空き缶などに水がたまらないようにすることが大切です。また、蚊を大量発生させないポイントは、水の中にいるボウフラの時に駆除をしてしまうことが一番重要です。
蚊のいない庭にするには
お庭に良く出る蚊はヒトスジシマカが多く、4月~10月が基本的な活動時期で、気温20~30℃が、蚊が最も活発化する気温です。そして、草むらなどで休んでいて、活発化する環境の中で、人が近付いて来たら狙うという習性があります。
家の中で見ることの多いアカイエカは、3月~11月が基本的な活動期間でヒトスジシマカよりも長く、日中は家の壁や天井などで休んでいて、夕方から夜にかけて活発に活動します。
このような習性の蚊が発生しにくい庭にするには以下の対策が効果的です。
ボウフラを発生させない・駆除をする
一番最初に行って欲しい対策は、ボウフラを発生させないことと、ボウフラの時点で駆除を行うということです。蚊はご存じの通り成虫で、成虫になってから吸血を行いますが、幼虫のボウフラの時点では、吸血しませんし、ボウフラがいる場所は限られていますから、駆除もしやすいのです。
まずは、少しでも水がたまるような所や物をなくしましょう。そして、1週間に1度は、水が溜まっているのを見かけたら、その水を捨てるか、交換しましょう。
蚊が発生しやすい場所(出展:厚生労働省)
・植木鉢の皿
・雨よけのブルーシート
・古タイヤの水たまり
・放置された空き瓶、缶、ペットボトル
・詰まった排水口
・草が茂った庭
このようなところが蚊が卵を産み付ける場所となるので、そんな場所はすぐになくしてしまいましょう。
ボウフラの駆除にはこれ 家庭園芸用スミチオン乳剤
蚊の隠れる場所をなくしましょう
成虫である蚊の潜む場所をなくすことが二つ目のポイントです。
お庭で成虫の蚊が潜む場所は、草の中です。特に背の低い下草では、素足などの熱や汗を近くで感じやすいため、特に潜むことが多いそう。ですから、芝生や下草、雑草などを放置してしまうと、蚊の恰好の住処となるので、定期的なお手入れを行いましょう。
蚊を寄せ付けないには
ぷ~んと耳元に飛んでくる蚊、足元をちくっと刺す蚊。本当にいやですよね。ボウフラを駆除したり、蚊の住処をなくしても、まだ蚊が出てくるときは、これ!殺虫剤とか蚊取り線香とかいろいろと試しましたが、最強なのは、強力な風で蚊を寄せ付けないことです。
これさえあれば、お庭しごとや草むしりなどもへっちゃらです。これおすすめです。
出展:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164483.html
夏の暑い時期の蚊はいやですよね。蚊の対策方法のポイントは、「ボウフラの時に駆除する」「ボウフラの発生する場所を作らない」「蚊の住処をなくす」「蚊を寄せ付けない」です。日本の猛暑は植物にとっても過酷な時期なので、お手入れが必要ですが、お手入れが少しでも快適になるようにして、庭木や花木が猛暑を乗り切れるようにお世話をしてあげてください。どうしても難しいようなら是非ご用命くださいね。庭木のメンテナンスはこちらから
2024年1月24日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎