カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は、ヒノキ科ビャクシン属の小高木で、ビャクシンの園芸栽培品種です。排気ガスに強いため生垣など、岡山県内でも大変多くの場所で見受けられます。樹形は円錐形でらせん状に旋回する姿が特徴的で、砂地などの水はけのよい場所が栽培に適しています。カイズカイブキは放っておくとすぐに大きくなり、定期的なお手入れを行わないとすぐに樹形が崩れてしまいます。また古木の場合や強く剪定した場合などに、スギの葉に似た針状の葉を付ける場合があります。植樹の場所は、ナシと近接して植えると赤星病を媒介するため、注意が必要です。
目次
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の基本情報
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の特徴
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の剪定時期
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の剪定をしてはいけない時期
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の剪定方法
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)が枯れる原因
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の育て方
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の病害虫
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の増やし方
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の基本情報
分類:常緑針葉小高木
原産地:日本、中国(園芸品種)
樹高:6~10m
開花期:4月頃
葉張り(樹冠の横幅):4~7m
花色:クリーム
果実色:白
果実熟期:10月
用途:生垣、庭木
別名:カイズカ、カイズカビャクシン
花言葉:「援助」
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の特徴
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の樹形は狭円錐形で、側枝がらせん状に伸び、枝先は火炎状となる。カイヅカイブキ(貝塚伊吹)はイブキの園芸品種と言われており、様々な仕立て方があり、大気汚染、乾燥、塩害などに強く、土質もあまり選ばず、痩せ地でも生育できるため、初心者の方でも安心して植樹できる庭木として有名です。
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の剪定時期
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は基本的に強い樹木ですので、葉を整える程度の剪定は時期を選びません。強めの剪定を行う場合は新しい芽が出る5月頃が適しています。尚、樹形を整える芽摘みは春から秋の生育期にこまめに行うと美しい樹形を保つことができます。
カイヅカイブキを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の剪定をしてはいけない時期
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は常緑樹で、一年中葉をつけていますので、冬の時期に光合成ができるだけの葉を残す必要があり、切りすぎると弱ってしまいますから、カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の剪定は全体的に葉を残して剪定することがポイントです。
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の剪定方法
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は刈込に強く、時期をあまり選ばないからと数年放置して一気に刈り込むということが一番良くない方法です。できれば新芽が固まる頃の初夏に、樹形からはみ出している新芽を手で芽摘みを行う方法が木にとって一番優しい方法です。
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は様々な仕立ての方法がありますが、玉もの仕立てにするには、苗木のうちから摘芯をし、半球形になる様に年2回~3回程度刈り込みを行います。半球形の樹形となったら1年に1回の刈り込みで構いません。透かし剪定は2年~3年毎に行うと日光が奥まで入り風通しが良くなります。
またカイヅカイブキ(貝塚伊吹)はイブキ(ビャクシン)の園芸品種ですが、刈り込み過ぎや、強剪定などにより原種の特徴を持った棘のあるスギ葉が出てくることがありますので、これはすぐに刈り取っておきましょう。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)が枯れる原因
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)が枯れる原因は、水切れと害虫、もしくは、深く刈り込みすぎなどがあります。小枝の枯れこみは肥料不足の状態になっているかも知れません。小枝の先などはチビキバガの食害や、ハダニやカイガラムシが付く場合もあります。
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の育て方
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は、寒さにも暑さにも強くとても丈夫で生垣などにおすすめです。
日当たり
日当たりのよい場所を好みます。
水やり
自然雨で育てることができます。
肥料
カイヅカイブキには2~3月、6~7月、9月に化成肥料や、ゆっくりと溶け出して成分が浸透し、1年を通して栄養分行き渡る緩効性肥料を施肥するのが効果的です。
特に刈り込んで仕立てる場合は、肥料を与えて枝葉の伸びを良くしておいて、樹形を整えていくようにしましょう。
植え付け
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の植え付けは3~5月頃が適期です。
日当たり、水はけのよい肥沃な場所を好みます。
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の病害虫
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は梨に被害を与える赤星病を媒介するため、カイヅカイブキ(貝塚伊吹)などのビャクシン類の植栽を規制している自治体もあるため事前に確認しておきましょう。赤星病は4月頃の発生初期に7~10日おきに数回薬剤の散布である程度効果が望めます。ハダニやカイガラムシは発見次第薬剤を散布して駆除しておきましょう。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の増やし方
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は挿し木で増やすことが可能です。3月~5月の生長期に10~15cm程度切り取り、水上げを行い、発根剤など使い用土に挿します。発根するまで乾燥させないようにして、発根後は日当たりの良い場所で苗を作っていきましょう。
まとめ
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の仕立て方は、防風林や防風垣の目的とした生垣仕様と、美しさを楽しむ玉チラシ仕様のものなどがあります。大気汚染、乾燥、塩害にも強く、土質もあまり選ばず、樹形も整いやすいため、植栽のお手入れをDIYでトライするには扱いやすい樹木です。カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の高さを抑える、横幅を少なくする、樹形を仕立てる場合や、剪定などの作業などが難しい場合は、庭のプロ集団『庭.pro』までご相談ください。
綺麗な庭で皆様の暮らしが豊かになれば幸いです。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎