【アカシア】基礎知識と育て方を庭師が伝授

アカシアの基礎知識と育て方をプロの庭師が伝授します

オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の中でも人気のアカシア。春先に満開に咲かせる黄色の花は見応えがあります。常緑性で花も咲くので庭木やシンボルツリーとしても最適で、しかも育てやすいという、魅力いっぱいのオージープランツ(オーストラリアンプランツ)です。そんなアカシアの育て方や剪定のコツも徹底解説します。

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目次

アカシアの基本情報
アカシアの特徴
アカシアの主な品種
↳高木種のアカシア
↳低木種のアカシア
アカシアの育て方
アカシアの病気と害虫
アカシアの剪定方法
アカシアの増やし方
まとめ

アカシアの基本情報

分類:マメ科アカシア属
学名:Acacia
英名:Acacia
和名:アカシア、銀葉アカシアなど
別名:ミモザ、ワトル
原産地:オーストラリア、アフリカ
樹高:3〜10m(品種による)
葉張り:2m〜(品種による)
常落区分:常緑低木〜中高木(品種による)
耐寒性:-5℃前後
耐暑性:強い
開花期:一季咲き(春)、四季咲きなど
花色:黄色など
果実色:緑
用途:庭木、シンボルツリー、ドライガーデンなど
剪定時期:5〜7月
花言葉:秘密の恋、友情、堅実など

アカシアの特徴


マメ科の植物で、世界で1300種ほどあるうちオーストラリアに1000種ほど分布し、オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の代表的なひとつです。日本には明治頃に伝えられ、主に関東以西の暖地で庭木として利用されてきました。日本で流通する品種の耐寒性はだいたい-5℃前後で、雪が積もる地域では鉢植えでの栽培がおすすめです。

ミモザとは?

日本では一般的に、アカシア全体のことをミモザと呼ぶ傾向があります。本来ミモザとは同じマメ科のオジギソウのことで、フサアカシアがヨーロッパに渡ったとき形が似ていたために「ミモザ(のような)アカシア」と呼ばれるようになりました。ヨーロッパでは主にフサアカシアのことをミモザと呼びますが、日本ではさらに広義になって黄色い花を咲かせるアカシアすべてをミモザと呼ぶようになりました。現地オーストラリアでは、ワトルと呼ばれています。

高木種と低木種がある

アカシアは品種によって分類に違いがあります。一般的にミモザとイメージされるフサアカシアやギンヨウアカシアなどは高木で、樹高が5〜10mにもなることも。サンカクバアカシアなど、株元から枝分かれするブッシュ状で低木に分類される品種もあります。低木でも2〜5mになる品種もあるので、植える場所には考慮しましょう。

成長が早い

成長が早く、20cmほどの苗も1〜2年で2m前後に成長します。放置するとぐんぐん上にも横にも伸び広がるので、年に1回程度剪定を行うのがおすすめです。剪定に強く新芽も出やすいので、剪定は比較的簡単です。
また短期間でぐんぐん伸びるので、樹高が高くなっても根張りが浅いことが多く、強風などで倒れやすいのが特徴です。支柱を立てるなどして強風対策をしましょう。

寿命が短い

アカシアは成長が早い分、日本では寿命が短い植物です。10年ほどで自然に枯れてしまったという例が多くみられます。そのほかにも台風が多い日本では強風で倒れてしまったり、枝が折れてしまったりすることもあります。ただ、高さを抑える剪定を行って成長を遅らせるように育てると、寿命が延ばして長く楽しめます。

アカシアの主な品種

高木種のアカシア


フサアカシアやギンヨウアカシアは、オジギソウに似た羽状の葉をつけるのが特徴です。一季咲きで、3〜4月頃に開花します。上に上にぐんぐん伸びて、成長が早い品種です。ギンヨウアカシア・プルプレアという銅葉の品種もあり、若葉の紫色が美しいと人気があります。

低木種のアカシア

ブッシュ状に育つ品種は成長が緩やかな傾向があり、樹形が整えやすいのも魅力です。葉柄が短く、三角の葉を枝にびっしりつけるサンカクバアカシアは枝も直線的でかっこよく、ユニークな印象です。ユーカリのような丸葉のパールアカシアは、樹形がコンパクトで花が少し大きい特徴があります。ほかにも、細長いシルバーブルーの葉が美しいブルーブッシュや、柳のように細い葉のスノーウィーリバーワトル、半月のような葉の形のハーフムーンアカシアなどがあります。

また、ディーンズワトル(四季咲きアカシアデアネイ)やオールリーフワトル、ウィーピングワトルなど、春から秋まで数回咲く四季咲きの品種もあります。

アカシアの育て方

水やり

地植えの場合は、根付いてしまえば降雨で十分です。植え込んでからはしばらく水切れしないように気を配りましょう。
鉢植えの場合は、水の管理がとても大切です。オージープランツ(オーストラリアンプランツ)のほとんどは乾燥に強いと言われますが、一度水切れを起こしてしまうと復活しにくい性質があります。

特にフサアカシアやギンヨウアカシアのような葉が薄く繊細なタイプはカラカラになりやすく、数日乾燥した状態にしてしまうと水切れを起こして葉が枯れてしまいます。逆にあげすぎると根腐れを起こすので、鉢が軽くなるまで乾かしてからたっぷりと水をやります。用土の状態をしっかり確認しながら水やりをしましょう。
また冬は成長が緩やかになるため、春〜秋よりもさらに乾かし気味に育てます。

日当たりと置き場所

アカシアは日当たりを好みます。日照が足りないと花付きに影響します。真夏の直射日光で葉やけすることがありますが、日差しが和らげば芽吹いてきます。
アカシアの枝は柔らかく細いため、強風で枝が折れることがあります。強風が当たる場所は避けるのが無難です。台風などの前は、ロープで固定したり枝をまとめて縛るなどの対策をするとよいでしょう。
同時に、風通しが悪い場所だと生育不良や病害虫が発生しやすくなります。ベランダなどで栽培する場合は、鉢の下にレンガを敷いて風の通りを作ったり、サーキュレーターを回すなどの対策も有効です。

肥料

アカシアは基本的にあまり肥料を必要としません。植え付けの時に緩効性肥料を施し、もし花つきが悪くなってきたら腐葉土や少量の酒粕をすき込みます。マメ科は窒素を吸収する力が強く、窒素が多いと枝葉ばかり茂って花つきが悪くなるので気をつけましょう。

植え付けと植え替え

植え付けの適期は春か秋です。フサアカシアやギンヨウアカシアは樹高が大きくなるだけでなく、葉張りも大きいので、十分にスペースをとって植えましょう。用土はあまり選びません。粘土質の用土に植えると、風などで倒れにくくなります。
直根性で植え替えを嫌うため、地植えの場合は移植は難しいかもしれません。鉢植えの場合は成長が早く根詰まりしやすいので、1〜2年に1回植え替えるとよいでしょう。深めの鉢で、できるだけ根を傷つけないように植え替えます。

アカシアの病気と害虫

カイガラムシがつきやすい植物です。付いてしまったカイガラムシは歯ブラシでかき落とし、落としたものは駆除します。大量についていた場合は剪定するか、ホースのジェット水流で吹き飛ばすように洗い流すなどして駆除します。ほかにも、シャクトリムシやアオムシの食害に遭うこともあります。パールアカシアなどは、ハダニの被害にも注意が必要です。
風通しが悪いと虫がつきやすいので、透かし剪定を行い、ムレを防ぎます。

アカシアの剪定方法

選定に適した時期は花後

アカシアの剪定適期は、花が終わった後から初夏までです。夏後に花芽をつけるので、夏以降に剪定すると花つきが悪くなってしまいます。高温期を避けた、花後から初夏までがよいでしょう。台風が多い時期の前に剪定しておくことで、強風の影響を少なくする効果もあります。

基本の剪定

アカシアの剪定の基本は、葉がある場所で剪定します。葉のない部分を切ってしまうと、芽吹かなくなる可能性があるので気をつけましょう。切った部分から脇芽が出てY字に枝が伸びます。アカシアは剪定に強く萌芽力も強いので、初心者でも難しくありません。

高さを抑えたいときは、主幹を抑えたい高さの位置で切ります。芯止めと呼ばれる方法で、上に伸びる力を抑えることができます。その分主幹が太くなる効果があるので、ひょろひょろと上にばかり伸びてしまっているアカシアにも有効です。また、芯止めには成長を抑制する働きもあり、成長を抑えて寿命を延ばすこともできます。

枝葉が混み合うと病害虫の原因にもなるので、花後には透かし剪定も行います。まず枯れている枝や葉が少なく生育の悪い枝を整理します。内側に向かっている枝、下に向かっている枝、平行に伸びている枝や交差している枝など混み合っている部分も剪定し、全体を風通しがよくなるように透かします。

アカシアの増やし方

挿し木で増やす方法

挿し木は気温が安定してくる梅雨頃が適期で、その年に伸びた枝を使います。15cmほどにカットして、下のほうの葉を取り除きます。1時間ほど水につけて水揚げし、切り口に発根剤を塗って赤玉土などに挿します。発根するまで水切れしないように、常に土が湿った状態で管理しましょう。水を入れた鉢皿などにつけた底面給水で管理するのもおすすめです。

アカシアの発根率はあまり高くないので、多めに準備しておくとよいかもしれません。気温が上がる前に発根できれば成功率が上がります。夏は涼しい軒先になどで管理し、乾燥には気をつけましょう。

種まきで増やす方法

アカシアはできた果実から種を採取するなどして種まきして増やします。種が取れた春にすぐに植えると、発芽率が上がります。

採取した種を保存してからまく場合や、市販の種をまく場合には、種を休眠から起こす必要があります。アカシアは、原産地オーストラリアでは火事などの刺激で発芽する性質が知られています。そのため、熱湯につけてから種まきすると発芽率が上がります。
80℃前後の熱湯に半日程度浸けてから、種まき用土にまきます。発芽するまでは土を常に湿った状態に保ちます。ほかにも、種に傷をつけてから水に半日浸けた後、同様に種まきします。

まとめ

1年中葉を鑑賞できる常緑樹で、季節感のある花もたっぷり楽しめるという、オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の中でも庭木やシンボルツリーとして貴重なアカシア。環境が合えば栽培もあまり難しくないので、ぜひ一度挑戦してみてくださいね。

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2024年1月24日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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