【ユーカリ】基礎知識と育て方を庭師が伝授

ユーカリの基礎知識と育て方をプロの庭師が伝授します

オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の中でも、庭木やシンボルツリーとして取り入れやすいユーカリ。
耐寒性はどのくらい?大きくなりすぎるって聞くけど本当?など基本の特徴から主な品種まで詳しくご紹介。幹を太くし樹形を整える剪定のコツや、高さを抑える剪定のコツも解説します。

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目次

ユーカリの基本情報
ユーカリの特徴
ユーカリの主な品種
↳ユーカリ・グニ
↳ユーカリ・ポポラス
↳ユーカリ・プルベルレンタ(銀世界ユーカリ)
↳レモンユーカリ
↳その他
ユーカリの育て方
ユーカリの病気と害虫
ユーカリの剪定方法
ユーカリの増やし方
まとめ

ユーカリの基本情報

分類:フトモモ科ユーカリ属
学名:Eucalyptus
英名:Eucalyptus、gum-tree、そのほか品種によって英名がさまざま
和名:ユーカリ、有加利
原産地:オーストラリア
樹高:5〜70m(品種による)
葉張り:1.5m〜(品種による)
常落区分:常緑高木
耐寒性:-15℃〜(品種による)
耐暑性:強い
開花期:品種による
花色:白、ピンク、黄、オレンジ、赤など
果実色:緑、シルバーなど
用途:庭木、シンボルツリー、ドライガーデンなど
剪定時期:春、秋
花言葉:新生、再生、思い出

ユーカリの特徴

オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の中でも代表的な樹木です。コアラの主食としてもよく知られ、オーストラリアを象徴する存在でもあります。現在900種ほどあるといわれており、そのほとんどがオーストラリアに分布しています。

香りがある

葉には油分を多く含み、精油としても利用されます。精油には抗菌・抗炎症効果があり、古くから薬としても用いられてきました。品種によって成分や香りの強さに違いがありますが、清涼感のある香りには鎮静効果や集中力を高めるといわれています。虫除け効果を期待できる品種もあります。

大きくなりすぎることも

ユーカリは成長が早い植物です。現地では100mを超える品種もあり、日本で出回る品種でも放置すると3〜5mほどに大きくなります。
庭木として地植えする場合には、年に一度は高さを抑える剪定を行うのがおすすめです。大きくなりすぎる面はありますが、剪定に強く萌芽力も強いため、適切な管理を行えば育てやすい樹種です。

耐寒性はどのくらい?

寒さに弱いオージープランツ(オーストラリアンプランツ)の中では耐寒性があり、一般的に関東以西では地植えでの栽培が可能です。品種によっては-15℃まで耐えるとも言われますが、原産地では積雪しても日本の寒冷地ほどではないため、雪の降る地域で冬越しさせるのはやはり難しいことも。ただ大きくなりしっかりと根付けば、多少の積雪には耐えます。

ユーカリの主な品種

ユーカリ・グニ


小さい丸葉とシルバーグリーンがかわいいグニ。日本でも流通量が多いユーカリのひとつです。タスマニア島の固有種で、耐寒温度は-10℃までと全国で栽培しやすい品種です。イギリスなどでも庭木として植えられています。香りが強く、清涼感のある香りを楽しめます。樹高は20mと大きくなります。

ユーカリ・ポポラス


ポポラスはひらひらしたハート型の葉がかわいい品種。グニと違って葉がランダムにつくので、より柔らかくナチュラルな印象の樹姿です。ほどよく透け感があり、イングリッシュガーデンなどにも似合います。耐寒性は-6℃までで、霜の降りる日が数日続くような地域では鉢植え栽培が良いでしょう。ポポラスベリーと呼ばれる花の蕾も特徴的です。

ユーカリ・プルベルレンタ(銀世界ユーカリ)


肉厚な丸葉で、銀色が美しいプルベルレンタ。銀世界ユーカリという名前でもよく出回ります。ユーカリは丸葉でも成長すると細長い葉になる品種が多いですが、プルベルレンタは古くなっても丸葉のままで鑑賞できるのが特徴です。樹形も直線的でかっこよく、ドライガーデンなどに似合います。香りは強めで、耐寒性は-15℃前後。プルベルレンタの中でもいくつか品種があり、青銀色が美しいベイビーブルーなどが人気です。

レモンユーカリ


細葉のユーカリです。精油によく使われる品種で、柑橘系の香りが特徴です。蚊除け成分として使われるほか、リラックスなどの効果もあると言われます。毛の生えた若葉は触るだけでも香るほどですが、成葉は光沢が出て香りが少なくなり、折ったり揉んだりしないと香りません。耐寒温度はやや弱いですが萌芽力は強く、冬に葉が枯れてしまっても翌春芽吹くことがあります。

その他

ユーカリはさまざまな品種があり、ほかにも珍しい品種なども出回ります。アルビダはユーカリの中でもっとも白色と言われ、白銀の葉が美しい品種です。プレウロカルパはテトラゴナシルバーとも呼ばれ、肉厚で粉を吹いたような葉と不思議な形の果実が魅力です。ほかにも、細長い糸葉の品種や、茎が葉の中心を通るツキヌキユーカリなどもあります。

ユーカリの育て方

水やり

ユーカリの水やりは、鉢が軽くなるほど乾いたら水をやるのが基本です。過湿に弱く根腐れしやすいので、水のやり過ぎは禁物です。
また、オージープランツ(オーストラリアンプランツ)全般は一度水切れしてしまうと復活しにくいという特徴があります。乾燥に強いと言っても、多肉植物のように自身に水分を蓄えておくような性質があるわけではないので、用土が乾くと水切れを起こします。特に若木のうちは過湿にも水切れにも弱いので気をつけましょう。

日当たりと置き場所

日当たりが良い場所を好みます。直射日光には強く紫外線も好むので、終日日が当たる場所がよいでしょう。ムレに弱いので、風通しの良さも大切です。
ただしユーカリは地上部の成長に比べて根張りが浅いため、風で倒れやすい性質があります。風の強い場所は避けるか、支柱をして対策するのがおすすめです。

肥料

あまり肥料はいりませんが、春から夏に緩効性肥料を施します。オーストラリアの土壌はリン酸が少ないという特質があり、オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の多くがリン酸を嫌います。特に日本の肥料はリン酸が多く含まれがちなので、たくさん施すと生育不良となってしまいます。ただし、まれに多肥を好む品種もあります。

植え付けと植え替え

負担の少ない春と秋が適しています。ユーカリは移植を嫌うので、地植えにする場合は樹高などを考慮して植える場所を決めましょう。
鉢植えの場合は成長が早く根詰まりを起こすことがあるため、1〜2年で植え替えします。根を触られるのを嫌うので、根を傷つけないように気をつけます。傷つけてしまったら、地上部も剪定して負担を減らしてあげましょう。

ユーカリの病気と害虫

ベランダなど風通しの悪い場所では、うどんこ病やハダニが発生することがあります。被害部分を取り除き、被害が広がらないよう剪定した枝葉はきちんと処理します。薬剤を散布するなどして様子を見ます。
コガネムシの幼虫が地中に潜み、根を食害することもあります。地上部が枯れてくるような症状が見られたら、土を掘り返してみましょう。土中に混ぜ込むタイプの薬剤で駆除します。また、カイガラムシにも注意です。カイガラムシは薬剤が効きにくいので、歯ブラシなどでこすりとります。

ユーカリの剪定方法

ユーカリは成長が早く萌芽力も強いので、剪定は比較的簡単です。放置するとすぐ大きくなってしまう上、枝葉が茂りすぎて病害虫の原因になるので年に1〜2回剪定するとよいでしょう。
時期は、成長期前の2〜3月頃に行うと芽吹きがよくなります。枝ぶりを整えたい場合はこの時期がおすすめです。また春〜夏の間に伸びすぎた場合は秋にも行います。

基本の剪定

必ず分岐点でカットします。新芽が出やすい性質ですが枯れることもあるため、切り口より下に枝葉を残して切るのが無難です。切り口からY字に広がるように脇芽が伸びることを想定して剪定します。
ユーカリは上へ成長する力が強いので、下部には枝葉がなくなりがちです。下から密にしたい場合は、下の枝葉も充実するように剪定しながら育てます。
また、都度透かし剪定を行うと病害虫の予防にもなります。内側に向いて伸びる枝、他の枝と平行するように伸びる枝など混み合った枝をカットしましょう。

幹を太くする・樹形を整える剪定のコツ

ユーカリは成長が早いので主幹が細いまま大きくなってしまう傾向があります。若木のうちは剪定を繰り返すことで主幹を太くし、枝数を調節しながら樹形を整えるのがおすすめです。

① 一番太い幹を主幹に決め、根元から出る他の枝はカット
② 全体の2/3〜1/3の高さにカット
…主幹を太くするために、縦に伸びる力を抑えます
③ 細い枝も葉を残した分岐点で切り戻していく
…切ったところから分岐して枝が伸びていくので、枝が増えて枝が充実します

高さを抑える剪定のコツ

高さを抑える剪定では、切ったところから1年で50〜1mは枝が伸びることを想定して切り詰めます。必ず切り口より下に枝葉を残して切りましょう。 ある程度大きくなったら毎年行うのがおすすめです。

①希望の高さより50cm〜1mほど下の高さで、下に枝葉を残して切り戻す
②切り口が大きい場合は癒合剤を塗る

ユーカリの増やし方

挿し木で増やせます。気温が安定してきた梅雨頃が適期です。その年のうちに出た新枝を葉っぱ数枚残して挿し穂にし、発根剤などに1〜2時間つけてから土に挿します。発根するまでは水切れと水のやり過ぎには気をつけ、大きくなったら植え替えます。

まとめ

ユーカリは剪定などの管理をこまめに行えば、栽培は難しくはありません。剪定した枝は飾ってドライフラワーにしたり、リースやスワッグなどにしても楽しめるのもおすすめポイントです。
オージープランツ(オーストラリアンプランツ)を使った「ドライガーデンのお庭作り」にぜひ挑戦してみたいという方は、ドライ系植物同士の組み合わせや植え方のバランスまでドライ系植物を知り尽くした庭.proにぜひお声がけください。

2024年1月24日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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