【バンクシア】育て方の基本を庭師が伝授

バンクシアの育て方をプロの庭師が伝授します

オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の中でも近年とても人気のバンクシア。独特なフォルムの花はもちろん、葉も鑑賞価値が高く、さらに樹形もかっこいいので、ドライガーデンのシンボルツリーとしてもおすすめです。今回はバンクシアの基本の育て方から、日本でも栽培しやすい代表的な品種一覧もご紹介します。

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目次

バンクシアの基本情報
バンクシアの特徴
バンクシアの育てやすい品種
↳バンクシア・インテグリフォリア
↳バンクシア・エリシフォリア/エリキフォリア
↳バンクシア・スピヌローサ
↳バンクシア・ロブル
↳バンクシア・セラータ・ピグミーポッサム
バンクシアの育て方
バンクシアの病気と害虫
バンクシアの剪定方法
バンクシアの増やし方
まとめ

バンクシアの基本情報

分類:ヤマモガシ科バンクシア属
学名:Banksia
英名:Banksia
和名:バンクシア
原産地:オーストラリア
樹高:1〜15m(品種による)
葉張り:3〜4m
常落区分:常緑低木〜高木(品種による)
耐寒性:-8〜-3℃(品種による)
耐暑性:強い
開花期:夏〜冬
花色:黄色、オレンジ、赤など
果実色:茶色
用途:庭木、シンボルツリー、ドライガーデンなど
剪定時期:冬〜春
花言葉:心地よい孤独、勇気ある恋、新たな始まり

バンクシアの特長


オーストラリアの中でも特に乾燥した地帯に自生するバンクシア。80種ほどの品種があり、そのほとんどがオーストラリア固有種です。個性的な花や樹姿がかっこよく、近年のオージープランツ(オーストラリアンプランツ)人気の中心的な存在です。もともと痩せ地で育つため非常に強健で意外と花付きもよく、育てやすいオージープランツ(オーストラリアンプランツ)です。

特徴的な花序と開花時期

大きさもあってインパクトの強いバンクシアの花はひときわ目を引き、庭木として世界各地で人気があります。花穂を立ち上げてから数ヶ月かけて開花するため、長く楽しめるのも魅力です。また開花時期は夏から冬の間ですが、同じ木でも年によって不定期に咲きます。若木のうちから比較的よく花をつけますが、植え付けて1〜3年は花芽を減らしてあげたほうが成長もよくなります。

山火事にも耐える性質

オーストラリアの山火事は高温と乾燥によって起きる自然現象で、この地で進化してきたオージープランツ(オーストラリアンプランツ)たちは火事後にも生き残れるようにさまざまな工夫をしています。バンクシアも火事の刺激で発芽する特性や、根元にリグノチューバと呼ばれるコブを作って栄養を蓄え、上部が枯れても再生できるようにするなどの性質を持っています。

自生地の特徴

オーストラリア大陸は広大で、同じオーストラリア原産といっても気候区分や性質が異なります。シドニーがある東オーストラリアは温暖気候や西岸海洋性気候で、オーストラリアの中では比較的日本の気候に近い地域です。一方、西オーストラリアは砂漠地帯やステップ気候が広がり、より乾燥しています。南西部は地中海性気候で、冬には少し降雨量が増えます。
そしてバンクシアは品種によって、東オーストラリア原産、西オーストラリア原産と分けられることがあります。東オーストラリア原産のバンクシアは、多少の多湿にも耐え耐寒性もある品種が多く、日本でも育てやすいものが多くみられます。対して西オーストラリア原産のバンクシアは日本では育てるのが難しく、流通量も少ないため高価ではありますが、レア品種として愛好家たちに愛されています。

耐寒性と耐暑性

-8℃まで耐える品種もありますが、基本的には多湿が苦手です。降雪が続くような地域では地植えは難しいでしょう。日本で流通する代表的な品種では、関東以南で地植えできる例が見られます。寒さで葉が落ちるということはあまりないようです。
耐暑性はありますが、日本の高温多湿には弱い品種があります。オーストラリアは日本ほど気温差が激しくないので、砂利などでマルチングをして気温差の影響を防いであげるのも有効です。

特殊な根

バンクシアはプロテオイド根やクラスター根と呼ばれる、塊のような形状をしているのが特徴的です。根の一部が塊になりブラシのような形になっていて、リン酸が乏しいオーストラリアの土壌でも効率的にリン酸を吸収できるようになっています。リン酸を吸収する力が強いので、リン酸が多い肥料などを与えてしまうと、生育不良を起こすことがあります。

バンクシアの育てやすい種類

バンクシア・インテグリフォリア


コーストバンクシアとも呼ばれ、東オーストラリアの沿岸部に自生します。10cmほどの大きさの葉は硬く、裏が白っぽいのが特徴的です。高木になる品種で、シンボルツリーなどにも向いています。潮風にも強く、耐寒性は-5℃前後。高温多湿にも強く根腐れもしにくいため、バンクシアの中ではもっとも育てやすく、初心者にもおすすめのバンクシアです。

バンクシア・エリシフォリア/エリキフォリア


ヒースバンクシアの名前でも流通する、オーストラリア南東部原産の品種です。葉が細く密集しており、花序が30cmにもなることがあるほど長いのが特徴的です。花付きもよく、こちらも高温多湿に耐えやすいため、日本でも育てやすい品種です。耐寒性は-5℃前後。

バンクシア・スピヌローサ


東オーストラリア原産のバンクシアです。スピヌローサの中でもいくつか品種があり、細長い鋸葉のヘアピンバンクシアと呼ばれる品種が代表的です。ほかにも、匍匐性で小型のバースデイ・キャンドルも人気です。耐寒性は-5℃前後で、沿岸部にも自生するためか多湿にも比較的よく耐えます。

バンクシア・ロブル

スワンプバンクシアとも呼ばれる品種です。オーストラリア東南部原産で、沿岸無の沼地や砂地に自生します。高温多湿にも強く、寒さにも強い上、樹高が2mほどとコンパクトなのも特徴。日本の庭でも育てやすいバンクシアです。

バンクシア・セラータ・ピグミーポッサム

匍匐性のバンクシアで、樹高60cmほどというコンパクトなのが特徴です。セラータという種自体は高木性ですが、ピグミーポッサムはその矮性の品種です。オーストラリア南東部原産で、潮風にも強く耐寒性もあります。枝張りがよく、グランドカバーなどにもおすすめです。

バンクシアの育て方

水やり

地植えの場合は降雨で十分です。沿岸部や沼地などで自生する品種は根腐れにも比較的強く、根付けば丈夫です。
鉢植えの場合は、主なオージープランツ(オーストラリアンプランツ)と同様、過湿と水切れに注意が必要です。鉢植えが軽くなるくらいに乾いてから、たっぷりと水やりします。しかし乾燥した状態が続くと水切れを起こし、復活しにくくなってしまうので要注意。

日当たりと置き場所

日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。1日中日が当たるような、南向きの場所がおすすめです。できれば北風など冷たい風が当たらない場所がよいでしょう。また水はけの良さも大切です。

肥料

プロテオイド根のあるバンクシアは、リン酸が多いと花が咲きにくくなったり、生育が悪くなって枯れてしまうことがあります。肥料をやるときはリン酸の少ないオージープランツ(オーストラリアンプランツ)専用の肥料を使うと良いでしょう。
また、肥料が流れる可能性もあるので、リン酸を必要とする植物と近い場所には植えないでおきましょう。リン酸は開花や結実を促す栄養成分で、バラなど花をたくさん咲かせる植物や、果実を作る植物には欠かせません。

植え付けと植え替え

植え付けや植え替えには、リン酸の少ない培養土を選びます。野菜・花用の花がたくさん咲くと謳われるような培養土は肥料を混ぜたものが多いので、注意しましょう。水はけがよく、通気性の良い土を好みます。酸性を好むので、鹿沼土や赤玉土などを配合した用土が良いでしょう。
また前述のように、バンクシアの根元にはリグノチューバと呼ばれる栄養を貯めたコブがある場合があります。リグノチューバが土に埋まらないように気をつけて植え付けます。

バンクシアの病気と害虫

カイガラムシがつくことがあります。カイガラムシは歯ブラシでこすり落とすなどして駆除します。ほかにもカミキリムシなどの被害に遭うことがあります。葉が黄色くなって根元に穴があいていたら、薬剤を差し込んで駆除します。

バンクシアの剪定方法


バンクシアは徒長枝が出やすいので、伸びすぎた枝は適宜剪定します。伸びすぎた枝をこまめに整理しながら育てると、枝数も増え、樹形も整います。また剪定をすることで花芽もつきやすくなります。特に若木のうちは剪定を繰り返して幹を太くし根張りを良くすることで、生育もよくなり寒さにも耐えやすくなります。
また新芽がたくさん伸びてきたら、少し間引くと良いでしょう。風通しもよくなり、花芽にもしっかりと栄養がいきます。

バンクシアの増やし方

バンクシアは挿し木の成功率が高く挑戦しやすいオージープランツ(オーストラリアンプランツ)です。適期は気温の安定してきた梅雨頃です。その年に出た枝を10cm程度にカットして水に1時間程度つけます。切り口に発根剤をつけて、鹿沼土に挿します。発根するまでは水を常に湿らせた状態を保ちます。

まとめ

オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の中でもひときわ異彩を放つバンクシア。品種によって葉の雰囲気も違って、いろんな品種を揃えたくなるのも魅力。また、花穂がついたときのワクワク感はたまりません。

そんなブラシノキは、洋風のお庭、特にドライガーデンのお庭のコーディネイトにはぴったりな植物です。魅惑的なバンクシアの栽培やオージープランツ(オーストラリアンプランツ)を使った「ドライガーデンのお庭を作り」にぜひ挑戦してみたいという方は、ドライ系植物同士の組み合わせや植え方のバランスまでドライ系植物を知り尽くした庭.proにぜひお声がけください。

2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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