ライラック(リラ)は、日本では北海道の街路樹として知られていますが、原産地はヨーロッパ東南部、及び、アフガニスタンで、冷涼な気候を好む落葉高木です。4月~6月頃に咲く花の香は、優しく甘い香りを漂わせ、世界中の愛好家に育てられている花木です。
このページでは、ライラック(リラ)の剪定の時期や剪定方法、育て方のコツなどを、プロの庭師が伝授いたします。
目次
ライラック(リラ)の特徴
ライラック(リラ)の剪定時期
ライラック(リラ)の剪定をしてはいけない時期
ライラック(リラ)の剪定方法
ライラック(リラ)が枯れる原因
ライラック(リラ)の肥料
ライラック(リラ)の病気と害虫
ライラック(リラ)の増やし方
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
ライラック(リラ)の特徴
ライラック(リラ)とはどういった特徴をもつ木なのでしょうか。
分類:落葉高木
原産地:ヨーロッパ南東部
樹高:1.5~6m
常落区分:落葉性
日照:日なた
耐暑:やや弱い
耐寒:強い
開花期:4月~5月
葉張り(樹冠の横幅):3~4m
花色:白、赤、紫、青
果実色:褐色
果実熟期:9月~10月
用途:シンボルツリー、サブツリー、庭木、花木、香木、街路樹、公園木
和名:ムラサキハシドイ(紫丁香花)、リラ(フランス名)
記念樹:ライラックの花言葉は、「思い出」「青春の思い出」となっており、卒業や送別、退職祝いの記念樹として用いられています。記念樹について詳しくはこちらから
花言葉:「思い出」「友情」、「恋の芽生え」「初恋」(紫色のライラック)、「青春の喜び」「無邪気」(白いライラック)
ライラック(リラ)は、ヨーロッパ生まれの花木ですが、ライラックという名称は英名で、日本で呼ばれているリラという名称はフランス語での名称です。ライラックは世界中に愛好者がおり、国際品種登録機関には約2,600もの品種登録がされています。近年では、とても香りも良いことから、庭木のシンボルツリーやサブツリー、そして、花嫁のブーケやヘアの花材としても活用されているとても身近な樹木です。
ライラック(リラ)の剪定時期
ライラック(リラ)の剪定時期は、お花が咲き終わって、休眠期に入る前の、5月~6月頃が適期となります。ライラックは7月~8月にかけて花の分化を行い、翌年に開花する花芽ができあがりますから、花の分化を行う前までの6月頃までには剪定を終わらせておきましょう。
ライラック(リラ)の剪定をしてはいけない時期
ライラック(リラ)は、翌年に咲く花芽が7月~8月頃に分化を行い、この時期以降の剪定では花芽も落としてしまうこととなるため、できれば避けたい時期となっています。また、耐暑性もやや弱いため、真夏時期の剪定もダメージが大きいため避ける方が無難です。
ライラック(リラ)の剪定方法
ライラック(リラ)は、萌芽力が弱いため、混んだ枝や伸びすぎた枝などの不要枝を休眠期に剪定する程度としておきましょう。また、花がら摘みも行っておきましょう。花がらをそのままにしておくと種ができ、翌年の花付きが悪くなってしまうため、花が終わり次第、花がら摘みも行っておきましょう。特に暖地では、ダメージが大きくなるため、ほとんど剪定は行われていません。
基本的な剪定方法、剪定するべき不要枝の詳細はこちらをご確認ください。
ライラック(リラ)が枯れる原因
ライラック(リラ)は耐暑性がやや弱いため、枯れる多くの原因は、夏の暑さと水切れです。また、強剪定や剪定を適期以外に行った場合などでも枯れることもあります。
ライラック(リラ)の肥料
ライラック(リラ)の施肥は、3月頃と6月に、骨粉、油かすなどを株の周りに施しましょう。鉢植えの場合は、緩効性化成肥料を土に埋め込みましょう。
施肥の詳細はこちらをご確認ください。
ライラック(リラ)病気と害虫
ライラック(リラ)は、梅雨時期にうどんこ病に罹るケースが報告されています。葉の表面に見える白い点がかびで、発見したらすぐに取り除き、まん延防止のために薬剤を散布しましょう。
害虫では、アブラムシやカイガラムシ、カミキリムシなどの被害に合う場合があります。
病害虫の防除はこちらをご確認ください。
ライラック(リラ)の増やし方
ライラック(リラ)は、取り木か、接ぎ木で増やすことができます。取り木、接ぎ木の適期は3月~5月頃です。なお、挿し木では発根しにくく乾燥しやすいため、取り木などで増やされる方が成功確率も高いです。
まとめ
ライラック(リラ)は、4月~6月に香りのよい花を咲かせてくれます。世界中に愛好家のいるライラックですが、生育環境では冷涼な気候を好み、風通しが良く湿度の少ない環境を好みます。日本では東北北部や北海道、本州の高原地帯が生育適地ですから、暖地などへ植える場合は、風通しが良く西日に当たらない場所を選びましょう。
ライラック(リラ)は、観賞用の庭木としても、切り花にしても楽しめる花木です。また。香水やアロマにも利用されるほどの良い香りを漂わせてくれるライラックを植えてみませんか。
お庭に植える樹木選びから、剪定やお世話などまで、庭のプロ集団『庭.pro』までご相談ください。綺麗な庭で皆様の暮らしが豊かになれば幸いです。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎