【イタリアンサイプレス】育て方の基本を庭師が伝授

ドライガーデンのシンボルツリーに人気のイタリアンサイプレスの育て方をプロの庭師が伝授します

イタリアンサイプレスの育て方|庭.pro

「イタリアンサイプレス」は、細長く伸びる樹形と青々とした葉が特徴の、地中海沿岸が原産の常緑針葉樹です。日本名では『ホソイトスギ』『セイヨウヒノキ』などの名で呼ばれます。
葉の形状はうろこ状で放射線状に育つため、透かし模様のレースのような繊細な印象を与えます。日本に渡ってきたのは明治時代半ばといわれ、以来、庭木用のコニファーとして重宝され、近年ではドライガーデンシンボルツリーとしての需要もあります。
このページでは、そんなイタリアンサイプレスの育て方やお手入れ方法、剪定方法などについてご紹介します。

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目次

イタリアンサイプレスの基本情報
イタリアンサイプレスの特長
イタリアンサイプレスの育て方
植える場所
土づくり
水やり
肥料
植え付け・植え替え
イタリアンサイプレスの病害虫
イタリアンサイプレスの増やし方
イタリアンサイプレスの剪定方法
まとめ

イタリアンサイプレスの基本情報

分類:ホソイトスギ属
科名:ヒノキ科
学名:Cupressus sempervirens
英名:Italian Cypress, Funeral Cypress, Mediterranean Cypress
和名:イタリアンサイプレス
別名:セイヨウイトスギ、セイヨウヒノキ、ホソイトスギ、イタリアイトスギ、グラウカ
原産地:南ヨーロッパ、中近東、地中海沿岸
樹高:100cm~450cm
葉張り:100cm
区分:常緑針葉樹(高木)
耐寒性:-15℃まで
耐暑性:普通
日照:日なた
開花期:3~6月
花色:緑
用途:屋外向き、ドライガーデンロックガーデンなど
花言葉:「死」「哀悼」「絶望」

イタリアンサイプレスの特長

フィンセント・ファン・ゴッホ 『糸杉のある麦畑』 (1889)

細長い樹形と、青味がかった細葉が美しい常緑針葉樹のイタリアンサイプレス。
その美しい立ち姿から地中海沿岸のヨーロッパで古くから親しまれ、ギリシャ・ローマ時代から街路樹や庭園などに好んで植えられました。オランダの画家・ゴッホの絵画にもときおり登場することから、文字どおり絵になる木というわけです。また、ドライガーデンにも利用しやすく、アメリカのカリフォルニア、アルゼンチンなどでの需要も高いようです。
そんなイタリアンサイプレスは、ヨーロッパやイスラム世界では“喪の象徴”であり、墓地に植えられる木として知られています。日本でいうなら仏前に使う『樒(しきみ)』のような役割でしょうか。
一方でユダヤ人の伝統では、ノアの箱舟などを造るのに使われた逸話も残っており、常緑の性質から、“永遠の美しさと不滅の象徴”として扱われています。
人気の品種は、わい性品種の『グラウカ』や、黄金葉の『スウェンズゴールド』など。品種によって前後しますが、品種によっては45m級の高木に育つので、コンパクトガーデンを計画中の方は樹高のことを念頭に置いて導入検討しましょう。
とはいえ剪定や育て方を工夫すれば、高さは抑えられます。イタリアンサイプレスは針葉樹らしいスーッとした清涼感のある森林の香りも楽しめる樹木で、垂直にまっすぐ伸びる姿も壮観です。ドライガーデンを計画中の方は、植樹候補の一つに入れてみてはいかがでしょうか。

 

イタリアンサイプレスの育て方

植える場所

イタリアンサイプレスを植えるには、水はけと日当たりの良い場所が適しています。植栽の適地は関東以西。耐寒性はやや弱いため、寒い地域には不向きといわれています。
一方耐暑性はあり日なたを好むことから、定番のイタリアンガーデンのほか、ドライガーデンにも適しています。
地植えするとどんどん高く伸びるため、庭の奥にあたるところに植樹すると庭全体のバランスが良く見えます。
根の張りは弱いため、あらかじめ支柱を設けるなど強風対策をして倒木を予防しましょう。

土づくり

イタリアンサイプレスを植え付ける際は、堆肥や腐葉土を元肥としてすき込んでおくと良いでしょう。水はけの良い土壌を好むため、植えたい場所の水はけが悪い場合には、植え付け前に土壌改善をおこない植え付けましょう。
日当たりの悪い場所では下枝がなくなりやすく、樹形が崩れやすくなります。また、夏の乾燥にも弱いため水切れにも注意が必要です。
土をつくる際は、
・赤玉土(中粒): 2
・完熟腐葉土または樹皮堆肥:1
の割合ですき込みます。

水やり

植え付けてから2年に満たないイタリアンサイプレスは、土の表面が乾いたらしっかりと水を与えましょう。
イタリアンサイプレスは成長が早いため、地植えの場合2年も経てば、あとは自然の雨でじゅうぶん足りるようになります。
鉢植えで育てている場合は、夏場の乾燥に弱いため水切れに注意します。

肥料

庭植えは有機質肥料を株元の周辺に埋めておきます。鉢植えは化成肥料を株元に追肥します。時期は長い冬が明け、春に向けて木々が準備を始める時期が適しています。
・地植え 2月
・鉢植え 3月

植え付け・植え替え

イタリアンサイプレスは、ポットで売られているものは、根を切らず植え付けができるので、植え付け時期を選びません。根にダメージのある株の植え付けは、水切れの心配の少ない11月〜3月、または梅雨の時期が適しています。

イタリアンサイプレスの病害虫

イタリアンサイプレスは、葉枯病・すす病・樹脂胴枯病など、スギやヒノキなどがかかる病気にかかりやすいといわれています。害虫は、鮮やかな黄緑色の体に茶色と白色の毛が特徴的なスギドクガが挙げられます。スギドクガの毛は人体に対して毒はないと言われていますが、イタリアンサイプレス自身は食害を受けています。
病気や害虫を見つけたり、イタリアンサイプレスに元気がないと感じたら、早めに専門家に相談しましょう。

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イタリアンサイプレスの増やし方

イタリアンサイプレスは、挿し木で増やすことができます。2月から3月が適期で、先端から10cmほどの穂木を摘み取り、切り口を斜めに切り整えて2時間ほど水につけてから、清潔な用土にさします。
種から育てる場合は、10月〜11月に良く熟した球果を風通しの良い日陰で干し、種を取り出したらすぐに用土に植えましょう。

イタリアンサイプレスの剪定方法

イタリアンサイプレスの剪定時期は3月〜4月です。
自然樹形を楽しむため、剪定はあまりおこなわず育てるのが好ましいですが、イタリアンサイプレスは日本のヒノキ類以上に枝葉が密集しやすく、横にも広がりにくいため、木の内側が蒸れやすくなります。
枝葉が茂り木の内側が蒸れると病気を引き起こしやすいため、枝抜きや葉先を摘む作業を春におこなうのが良いでしょう。
樹形を維持するための切り戻しや間引き剪定は、7・8月の暑い時期を避ければどの季節でもおこなえます。
また、コニファー類の特徴として根の張りが弱いため、積雪に弱い一面があります。雪が多く降る地域では、イタリアンサイプレスの枝を減らして積雪量が多くならないよう工夫すると、木へのダメージを減らしながら育てることができます。
イタリアンサイプレスは成長が早いため、ドライガーデンによく取り入れられる成長の遅い多肉植物系の植物とは成長スピードが異なり、庭のバランスを崩してしまうこともあります。定期的にバランスを見ながら剪定しましょう。

まとめ

横に広がらず、どこまでも真っ直ぐ長く伸びるイタリアンサイプレス。常緑の針葉樹ならではの清々しい樹形とヒノキの爽やかな香りが魅力で、ドライガーデンにもよく似合う育てやすい木です。
成長が早い反面、大きくなり過ぎると自分で剪定するのは難しい面もあります。
「イタリアンサイプレスが伸びすぎて困っている」「強風で傾く前にイタリアンサイプレスに支柱を付けたい」など、お困りごとは、ぜひ『庭.pro』にお任せください。素敵なお庭づくりのお手伝いを承ります。

2024年1月24日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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