定期的な剪定ですっきりまとめる!
古くから日本の人々に愛されてきた「ボケ(木瓜)」は、花と実が楽しめる日本を代表する花木です。春には花を咲かせ、夏に香りのよい黄緑色の実をつけます。暑さ寒さに強く、洋風、和風問わずシンボルツリーや生垣に使用されています。
放っておくと枝がからんでしまうので、伸びた枝を整理し、樹形を保つ剪定作業が必要です。この記事では、ボケの剪定方法や基本の育て方などをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ボケの基本情報
ボケの特徴
ボケの剪定のタイミング
ボケの剪定道具
ボケの剪定メリット
ボケの剪定方法
↳11月~12月の剪定
↳5月の剪定
ボケの育て方
ボケの病害虫
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
ボケの基本情報
属名:ボケ属
科名:バラ科
学名:Chaenomeles speciosa
和名:木瓜(ボケ)
原産地:中国
樹高:2~3m
区分:落葉樹、低木
耐暑性:強い
耐寒性:強い
開花期:3月中旬~5月上旬
花色:白、赤、ピンク、オレンジ
用途:シンボルツリー、生垣など
花言葉:先駆者、妖精の輝き
ボケの特徴
花と実が楽しめるボケは、日本を代表する花木です。暑さ、寒さに強く洋風、和風のお庭によく合い、シンボルツリーとしてもおすすめです。
花はウメの花に似ていて、直径は約2~3cmで、葉の展開に先立ち、短枝のわきに紅色、淡紅色、白色などの花を数個ずつつけます。夏~秋には、直径約4~10cmの果実をつけます。果実は黄色に熟すとよい香りがし、ジャムや果実酒などに利用されます。葉は単葉で互生し、葉身は長さ5~9cmで、葉の縁には細かく鋭い鋸歯があります。
ボケは放っておくと枝がからんでしまい樹形が崩れてしまうので、新しく伸びた枝を剪定し、自然樹形を保つようにします。
ボケの剪定のタイミング
ボケの剪定の適期は落葉後の11月~12月、花後すぐの5月です。
花後すぐ、翌年咲く花芽ができる前の5月の剪定では、実をとり、樹冠を整えます。
落葉後の11月~12月の剪定では、不要な枝を切り取り整理します。また、徒長枝には花芽はつきにくいので切り短くします。
ボケを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。
ボケの剪定道具
ボケの剪定は、以下の剪定道具を揃えておきましょう。
・軍手
・植木バサミ
・剪定バサミ
・刈り込みバサミ
・ノコギリ
・脚立
・癒合剤
ハサミやノコギリなどの刃物類は剪定には必ず必要な道具です。高価なものは必要ありませんが、ある程度しっかりしたつくりで、手に馴染むものを選びましょう。
使用したハサミやノコギリは木くずや樹液がついたまま放置しておくと、切れ味が悪くなったり、錆びてしまったりします。剪定を行うことにより、樹木に負担をかけ、弱らせないようにするためにも、使用後は必ず手入れをし、使用前は消毒を行いましょう。
ボケの剪定メリット
ボケは剪定でからんだ枝を整理し、樹冠を整えることで全体の形や大きさをまとめ、樹形を美しく保つことができます。
また、花芽は短い枝につく傾向が強いので、長く伸びた枝を短く切ることにより、短い枝が出て花がつきやすくなります。
ボケはは生育旺盛で枝数も多くなりがちです。少なくとも1年に1回は定期的に剪定を行い、不要枝を整理すしましょう。
ボケの剪定方法
ボケの剪定は落葉後の11月~12月、花後すぐの5月に行います。
11月~12月の剪定
【不要枝を切る】
不要枝(交差枝、立ち枝、内向きの枝、重なった枝、ひこばえ)はつけ根から切り取ります。
【樹形を整える】
ボケは放っておくと枝が長く伸び樹形が乱れてしまうので、毎年樹冠から飛び出す枝を剪定し樹形を整えます。
【花芽のついた枝を切る】
花芽がついている長い枝は、枝元の5~6芽を残して切ると、翌年の小枝が増え、花つきがよくなります。切るときは外芽で切りましょう。
【枝数を制限する】
地際からよく芽吹いた新しい枝(ひこばえ)が出ますが、混みすぎてしまわぬよう数本を残して枝元から切り取りましょう。
【切り戻す】
木が大きくなりすぎた場合は、好みの高さで切り枝を更新します。その際は、短い枝との分かれ目できるようにします。
5月の剪定
【花がらを取り除く】
花がらが残っていれば取り除きます。
【樹形を整える】
ひこばえや徒長枝、樹冠から飛び出している枝を切り、樹形を整えます。
【不要枝を切る】
立ち枝や交差している枝などを切り、樹冠の内部まで光が入るようにします。
ボケは葉芽のないところで切ると新しい枝ができずに枯れやすくなるので注意しましょう。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
ボケの育て方
ボケは発芽力も旺盛で初心者でも比較的育てやすい樹木です。
日当たり
日当たりの良い場所を好みます。
日当たりが悪いと花つきが悪くなるので、建物の陰になるような場所に植えるのは避けます。
水やり
乾燥すると葉が枯れて花芽がつかなくなるので、夏場はこまめに行い、地面を乾かさないようにしましょう。
肥料
施肥は1月と4月~5月に花後にお礼肥として化成肥料をあたえ、その後は10月頃まで控えます。
植え付け
植え付けの適期は12月~3月です。水はけのよい肥沃な場所を好みます。
ボケの病害虫
とくに問題となる病害虫の発生はありません。
まとめ
「ボケ」は花と実が楽しめる、日本を代表する花木です。さまざまな品種があり、秋に咲くもの、八重咲のもの、花色も白、赤、ピンク、オレンジなど種類も豊富です。バラ科だけに美しい花が咲き、実はジャムや果実酒などに利用されます。
ボケは、発育旺盛で枝数も多く、樹形が乱れやすくなるため、少なくとも1年に1回は、混みあった枝を間引く剪定が必要です。ぜひ、この記事を参考に剪定を行ってみてくださいね。
ボケの剪定やお手入れで困った場合は、ぜひ庭のプロ集団『庭.pro』へご相談ください。
皆様のお庭が美しく庭木が健康に育つよう、お手伝いができれば幸いです。
2024年1月26日更新