混みあった枝を整理し樹形を整える剪定!
「ムラサキシキブ(紫式部)」は、秋に紫色の可愛らしい実がなる樹木です。細い枝が密に茂って株立ちとなり、葉は秋に紅葉し、実は球形で美しい紫色に熟します。和風や和モダンのお庭や、雑木のお庭の根締めやグランドカバーとして利用されることが多くあります。
ムラサキシキブは剪定で強く切り詰めてしまうと花芽がつきにくくなります。ムラサキシキブを健康に育てるためには、適切なタイミングと方法で剪定を行うことが大切です。この記事では、ムラサキシキブの剪定方法や基本の育て方などをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ムラサキシキブの基本情報
ムラサキシキブの特徴
ムラサキシキブの剪定のタイミング
ムラサキシキブの剪定道具
ムラサキシキブの剪定メリット
ムラサキシキブの剪定方法
↳11月中旬~3月上旬の剪定
↳5月中旬~6月の剪定
ムラサキシキブの育て方
ムラサキシキブの病害虫
↳うどんこ病
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
ムラサキシキブの基本情報
属名:ムラサキシキブ属
科名:シソ科
学名:Callicarpa japonica
和名:紫式部(ムラサキシキブ)
原産地:日本
樹高:2~3m
区分:落葉樹、低木
耐暑性:強い
耐寒性:強い
開花期:5~6月
花色:ピンク
用途:根締め、グランドカバーなど
花言葉:聡明、上品、愛され上手
ムラサキシキブの特徴
ムラサキシキブは秋の庭を彩る紫色の実が特徴の樹木です。実の色を「紫式部」に例えたことが名前の由来とも言われています。
花は淡いピンク~紫色で直径約5㎜ほどの小さな釣鐘形です。5~6月頃に花序を葉腋に出して開花し小さな花が群がるように咲きますが、実ほどのインパクトはありません。葉は単葉で対生し、葉身は長さ6~13cm、幅2.5~6cmほどです。葉の縁には鋸歯があります。実は球形で秋に美しい紫色に熟し、その実を食べに鳥が寄ってきます。庭木としては、和風のお庭や雑木のお庭の根締めやグランドカバーとしてよく取り入れられます。
品種・近種
【コムラサキ(小紫)】
庭植えによく利用される。実がまとまってつく。葉は黄葉する。
【シロシキブ(白式部)】
コムラサキの園芸品種で実の色が白いのが特徴。
ムラサキシキブの剪定のタイミング
ムラサキシキブの剪定の適期は落葉後の11月中旬~3月上旬と花後の5月中旬~6月です。
落葉後の11月中旬~3月上旬の剪定では混みあった枝を整理し樹形を整えます。
花後の5月中旬~6月の剪定では不要枝を切り整理します。
ムラサキシキブを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。
ムラサキシキブの剪定道具
ムラサキシキブの剪定は、以下の剪定道具を揃えておきましょう。
・軍手
・植木バサミ
・剪定バサミ
・刈り込みバサミ
・ノコギリ
・脚立
・癒合剤
剪定道具は作業に適した刃物を使うようにしましょう。ハサミなどの刃物は清潔で切れ味がよいものを使うことが重要です。
使用したハサミやノコギリは必ず汚れを落とし、適切に保管します。病原菌やウィルスに侵された植物を剪定し、菌やウィルスが刃についたままほかの植物を剪定することで、菌やウィルスをまき散らす恐れがありますので、使用後はしっかり手入れを行い、使用前は消毒を行うようにしましょう。
ムラサキシキブの剪定メリット
ムラサキシキブは剪定で混みあった枝や伸びすぎた枝を切って整理することにより、樹形を美しく整え、花芽をつけやすくすることができます。
ムラサキシキブの剪定方法
ムラサキシキブの剪定は落葉後の11月中旬~3月上旬と花後の5月中旬~6月に行います。
11月中旬~3月上旬の剪定
【枝を間引く】
枝が混みあっている部分は、外側に向かって伸びている枝を残して切ります。
【樹形を整える】
全体のバランスを見ながら、樹冠から飛び出している枝は枝先を切り取ります。
この時期は、花芽は肉眼で確認はできませんが、枝先を切る場合は芽を残すように切りましょう。
【不要枝を切る】
下り枝、枯れ枝などの不要枝はつけ根から切り取ります。
【株を更新する】
4~5年に一度、すべての枝を地際から切り、株を更新します。
5月中旬~6月の剪定
【枝先を切る】
花芽は新しい枝の上半分くらいにつきますが、長く伸びすぎて気になるときには、枝先を切ります。
【徒長枝を切る】
樹冠から飛び出した徒長枝をつけ根から切り取り樹形を整えます。徒長枝には花芽がつきにくいので剪定を行い整理します。
【不要枝を切る】
樹冠の中の不要枝(交差枝、平行枝、内向きの枝など)は切り取り、樹冠の内部まで、風や光が届くようにします。
ムラサキシキブは強い剪定をすると勢いの強い枝が出て、花つきや実つきが悪くなりますので注意しましょう。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
ムラサキシキブの育て方
ムラサキシキブは暑さや寒さにも強く、初心者でも比較的育てやすい植物です。
日当たり
水はけがよく日当たりの良い場所を好みます。日陰気味でも生長はしますが、花つきが悪くなります。
水やり
水やりは、基本的に必要ありません。
ムラサキシキブは乾燥を嫌うので、乾燥には注意が必要です。
肥料
1月~2月に寒肥として有機質肥料をあたえます。
植え付け
植え付けの適期は2月~3月、11月~12月です。適湿で肥沃な場所を好みます。
ムラサキシキブの病害虫
とくに問題となる病害虫の発生はありませんが、日照が不足したり風通しが悪いと「うどんこ病」が発生する場合があります。
うどんこ病
うどん粉のような白い粉状のカビが、枝や葉に発生します。しだいに広がって葉が衰弱します。
剪定で風通し、採光を良くし、予防します。
患部は取り除き落ち葉とともに焼却します。冬に石灰硫黄合剤をまき、発生する時期にベントレートを散布します。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
まとめ
「ムラサキシキブ」は秋に紫色の可愛らしい実がなり、お庭を艶やかに彩ります。耐暑性、耐寒性に優れていて、和風や和モダンのお庭や、雑木のお庭の根締めやグランドカバーとして植栽されます。
ムラサキシキブは、生長がやや早く、放任すると枝が乱れ、樹形が乱れてしまいます。美しい樹形を保つためには、適切なタイミングと方法で剪定を行う必要があります。ぜひ、この記事を参考に剪定を行ってみてくださいね。
ムラサキシキブの剪定やお手入れで困った場合は、ぜひ庭のプロ集団『庭.pro』へご相談ください。皆様のお手伝いができれば幸いです。
2024年1月26日更新