お洒落でカッコいいお庭をつくりたいけれど、日々忙しくて、お庭に手間暇をかけられない。
ナチュラルテイストの草花いっぱいのお庭は自分のスタイルとちょっとあわない。
お花がたくさん咲くお庭もいいけれど、サボテンや多肉植物が好きだからお庭にとり入れてみたい。
そんな方におすすめしたいのが、今注目を集めている「ドライガーデン」です。
この記事では、埼玉で個性的でカッコいいお庭をつくりたい方へ、「ドライガーデン」のお庭をつくるコツを紹介しています。
目次
そもそもドライガーデンって何?
ドライガーデンをおすすめする理由
埼玉の気候でもドライガーデン向きの植物は育てられる?
埼玉の気候の特徴は?
埼玉のエリア別耐寒性ゾーンは?
【南部エリア】
【東部エリア】
【北部エリア】
【中央エリア】
【西部エリア】
埼玉のドライガーデンにおすすめの植物
アガベ
ユッカ・ロストラータ
セダム
オリーブ
ココスヤシ(ブラジルヤシ)
埼玉でドライガーデンのお庭をつくるには
やっぱりプロに依頼したい方
そもそもドライガーデンって何?
ドライガーデンとはサボテンや多肉植物などメキシコや南アメリカ、砂漠地帯などの乾燥地帯に自生する植物と乾燥した砂利や石を用いてつくるお庭です。
乾燥地帯の植物の他に、柔らかい印象のオージープランツ(オーストラリアの植物)を植栽したり、日本のお庭ではあまり見ないようなインパクトの強い個性的な見た目の植物をとり入れることで、他のお庭にはない非日常感を味わえる空間にすることができます。
日本の四季を味わえるお庭ではありませんが、年間を通して見た目があまり変わらないというメリットもあります。
ドライガーデンをおすすめする理由
それでは、庭.proがドライガーデンをおすすめする理由をいくつかあげてみましょう。
植物を育ててみたいけど、お庭と言えるような大きなスペースがない
☝玄関や門の横などの狭いスペースでもOKです。
ドライガーデンの植物は、インパクトのある見た目の植物も多いので、植物を一つ植栽するだけでも雰囲気がグンと変わりますよ!
水やりや剪定、落ち葉の処理など毎日お手入れを続けられる自信がない…
☝乾燥を好む植物を統一して植えることで、毎日水やりを行う必要もなく管理がしやすくなります。
ちょっとした旅行やお出かけの期間も水やりの心配をしなくていいのは安心ですよね。
また、サボテンなど葉のない植物なら落ち葉の処理も不要で、隣家に葉が落ちてしまい迷惑をかけてしまうということもありません。
お庭づくり初心者だけど、大丈夫?
☝ぐんぐん葉っぱが伸びたりするわけではなく、生長のサイクルが遅く手間がかからないドライガーデンは、お庭づくり初心者にもおすすめ。
水やりや肥料などこまめな管理が少なく、育てやすいので、最初の植込みを終えたら、カッコいいお庭を長く楽しめます。
いかがですか?
植物は生き物ですので、愛情をもって大切に育ててあげたいですよね。
でも、お手入れが難しいと毎日続ける自信がないという方もいらっしゃると思います。お庭づくり初心者の方なら尚更のことでしょう。
ドライガーデンの植物は、乾燥地帯でもたくましく生きる植物ですので、あまり神経質にならずに、最低限のお手入れは行いながら、自分のペースでお庭づくりを楽しむことが、植物への愛情に繋がっていくのではないかと思います。
埼玉の気候でもドライガーデン向きの植物は育てられる?
お庭づくりの際に気になるのは、植物が上手く育てられるかということではないでしょうか。
上手く育てるためには水やりなどの日々のお手入れはもちろんのことですが、植物の生育に合っている環境(天候、気温、雨量など)を確認することが重要です。
ここでは、ドライガーデンにおすすめの植物「アガベ」を例に生育環境をご紹介します。
アガベってどんな植物?

ギリシャ神話に登場する「アガウェー」から名付けられたと言われているアガベの魅力は、なんといってもワイルドな株姿。葉の色も緑や青みがかった種や黄色斑の入る種などバリエーションにも富んでいます。また、トゲのつきかたもノコギリの歯のような鋭い葉をつける種、先端だけにトゲをつける種、トゲはもたず細長い繊維質の白い毛(フィラメント)をもつ種などさまざまです。
アガベの自生地は?

アガベはアメリカ南西部から中南米(メキシコ、コロンビア、ベネズエラ、キューバ、ハイチ)などで自生しています。特にメキシコ各地では最も多くの種類が自生しています。
アガベの自生地の環境は?
モンテレイ(メキシコ北東部)
緯度: 25.73 °N / 経度: 100.3°W 高度: 515(m)
月平均気温 | 月降水量 | |
1月 | 15.1℃ | 17.8mm |
2月 | 18.1℃ | 17.9mm |
3月 | 21.1°C | 29.9mm |
4月 | 24.2°C | 26.0mm |
5月 | 26.7°C | 56.0mm |
6月 | 28.6°C | 56.7mm |
7月 | 28.8°C | 51.3mm |
8月 | 29.0°C | 65.1mm |
9月 | 26.3°C | 215.5mm |
10月 | 23.4°C | 63.2mm |
11月 | 18.9°C | 32.6mm |
12月 | 15.8°C | 24.9mm |
埼玉県
月平均気温 | 月降水量 | |
1月 | 3.9℃ | 42.4mm |
2月 | 4.9℃ | 39.6mm |
3月 | 8.4°C | 88.0mm |
4月 | 13.7°C | 101.9mm |
5月 | 18.6°C | 121.4mm |
6月 | 22.0°C | 144.8mm |
7月 | 25.9°C | 148.0mm |
8月 | 27.0°C | 164.0mm |
9月 | 23.2°C | 202.8mm |
10月 | 17.5°C | 196.8mm |
11月 | 11.4°C | 70.9mm |
12月 | 6.2°C | 45.2mm |
※1991年~2020年の平均値(気象庁ホームページより)
上記の表は、アガベの自生地であるメキシコのモンテレイと埼玉県の月平均気温と月降水量です。
メキシコのモンテレイは夏の4か月ほどはスコールのような激しい雨に見舞われることがある雨季、そのほかの月は湿度が低く比較的過ごしやすい気候である乾季にわかれています。気温に関しては一般的に一年を通して変動が少ないのがメキシコの気候の特徴です。
埼玉とモンテレイは夏の平均気温はほぼ同じですが、降水量はモンテレイが7月は51.3mm、8月は65.1mmに対し埼玉は7月は148.0mm、8月は164.0mmとモンテレイは埼玉の半分程度です。アガベは暑さには強いですが、日本の蒸し暑さは苦手です。埼玉ではモンテレイと比べ降水量が多く、夏は気温も湿度も高くなるため、地植えで育てるためには、雨ざらしにしても葉が傷まずよく育つ種類を選ぶ必要があります。
また、モンテレイは年間を通して平均気温が10℃以下になることはありません。対して埼玉は12~3月は平均気温が10℃以下になります。アガベを含めた砂漠地帯などの乾燥地帯に自生する植物は寒さには弱い傾向にあります。地植えを考える場合は、寒さに比較的強い植物を選ぶようにしましょう。
埼玉の気候の特徴は?

時の鐘(埼玉県川越市)
ここまではアガベを例に、ドライガーデン向きの植物の生育環境をご紹介してきました。
それでは、埼玉ではどのような気候の特徴があるのでしょうか。
埼玉には、ニュースでよく聞くことのある、暑い市「熊谷」があるので、暑い県というイメージをもっていませんか?しかし、埼玉は、関東でも有数の、冬が寒い地域でもあるんです。ただし、気温は低いですが、北部(秩父地方)を除けば、雪が積もるということは滅多にありません。ドライガーデン向きの植物は、もともと乾燥地帯に自生していて、寒さには強くありません。葉が傷んだり、株が枯れたりしないよう、地植えをする場合は耐寒性の強い植物を選ぶようにしましょう。
耐寒性ゾーン
『耐寒性ゾーン(USDAハーディネスゾーン)』とは、植物ごとにどの地域まで屋外で冬越し可能なのか知るための指標です。簡単に言うと、自分の住んでいるエリアがどのゾーンに入るのか確認することで、どんな植物が冬越し可能なのか調べることができる地図です。庭木を地植えにする際に参考にすると良いでしょう。
ちなみに、ほとんどの植物のラベルには「耐寒性ゾーン」が記載されていません。調べるには「学名+zone」などで検索すると(ほとんどが英語のサイトですが…)見つかるかもしれません。例えば「アガベ(チタノタ)」なら、学名「Agave titanota」と「zone」で検索して調べると、耐寒性ゾーンは「9a」などと記載されていることが分かります。
耐寒性ゾーン表
3a | -37.2°C ~ -40.0°C | 3b | -37.2°C ~ -34.4°C |
4a | -34.4°C ~ -31.7°C | 4b | -31.7°C ~ -28.9°C |
5a | -28.9°C ~ -26.1°C | 5b | -26.1°C ~ -23.3°C |
6a | -23.3°C ~ -20.6°C | 6b | -20.6°C ~ -17.8°C |
7a | -17.8°C ~ -15.0°C | 7b | -15.0°C ~ -12.2°C |
8a | -12.2°C ~ – 9.4°C | 8b | – 9.4°C ~ – 6.7°C |
9a | – 6.7°C ~ – 3.9°C | 9b | – 3.9°C ~ – 1.1°C |
10a | – 1.1°C ~ 1.7°C | 10b | 1.7°C ~ 4.4°C |
11a | 4.4°C ~ 7.2°C | 11b | 7.2°C ~ 10.0°C |
12a | 10.0°C ~ 12.8°C | 12b | 12.8°C ~ |
※『PROVEN WINNER』サイトの「耐寒性ゾーンマップ」が分かりやすいので、参考にするとよいでしょう。
埼玉のエリア別耐寒性ゾーンは?
埼玉県を気候で見ると、大きく分けて、南部エリア・東部エリア・北部エリア・中央エリア・西部エリアの五つに分けられます。それぞれの耐寒性ゾーンをご紹介します。
【南部エリア】
南部エリアは「大宮区」「浦和区」「和光市」「所沢市」など、ほぼ東京と言っても過言ではない住宅街です。ほかのエリアに比べ、住宅は密集しがちなので、立地条件によっては半日陰の庭が多いかもしれません。日陰でも育つ樹木がおすすめです。耐寒性ゾーンは、埼玉の中では暖かく「9a」ゾーンです。
【東部エリア】
東部は「川口市」や、茨城県に近い「春日部市」、千葉県に近い「越谷市」などがあります。東部は温暖な太平洋側気候で、気温が-3°C以下になることは滅多になく、気候変動が少ないエリアです。耐寒性ゾーンは「8b」です。
【北部エリア】
北部は、日本の最高気温で一二を争う「熊谷市」があるエリアです。内陸性気候で夏は気温が高くなるのが特徴です。群馬県に近い地域では、赤城山から強烈な風「赤城おろし」が吹くことがあり、その影響で体感温度は低くなります。耐寒性ゾーンは、熊谷市、行田市、深谷市などで「9a」です。
【中央エリア】
中央エリアは、さいたま市、志木市、川越市、朝霞市、和光市、東松山市などです。マイナス10℃前後になることもあり、耐寒性ゾーンは「8a」となっています。秩父に近いエリアなので、冬は西部と同じく冷え込むこともあります。
【西部エリア】
「旧大滝村」から「飯能市」、「旧吉田町」、「秩父市」などが西部エリアです。西部は他の3つのエリアとは少し気候が違います。標高もやや高く他のエリアよりもマイナス2℃ほど低い山岳気候です。また盆地型の気候も併せ持ち、夏は暑いのが特徴です。耐寒性ゾーンは全体的に「8a」ですが、「7b」くらいに思っていたほうがよさそうです。
耐寒性ゾーンを見ていただくと分かるように、埼玉の冬は、東京・神奈川・千葉に比べてとても寒いのです。
ドライガーデンのお庭づくりの際は、お住まいの耐寒性ゾーンを確認しておきましょう。
埼玉のドライガーデンにおすすめの植物
アガベ
学名:Agave(Zone:8b~11)
生育環境をご紹介したアガベには約300の種類があると言われています。
ノコギリの歯のようなギザギザをもつ種類のものや、細長い繊維質の白い毛(フィラメント)がくるくると巻いて華やかな雰囲気を生み出すもの、白斑や黄斑、外斑や中斑など斑の入り方なども様々な種類があります。大きさも直径10程度の小型なものから数m程度まで育つものまであります。
耐寒性に強い種類では、マイナス10℃まで耐えるものもあります。
【寒さに比較的強い種類】
・アオノリュウゼツラン

直径が2mを超える大型種。斑入りがないのが特徴。
・吉祥天

シルバーブルーの葉に黒いとげが印象的。低温にも高温にも耐える。
・滝の白糸

細い葉の縁にくるくると巻くフィラメントが特徴的。暑さ、寒さにも強い。
・華厳
葉はコンパクトで胴が太い。ダークグリーンの葉と中斑の白のコントラストが美しい。
・オバティフォリア
小さな歯が特徴的。日陰にも良く耐え、水を好む。

ユッカ・ロストラータ
学名:Yucca rostrata(Zone:5b~11a)
「ユッカ・ロストラータ」はアメリカ南部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産のドライガーデンにおすすめの希少植物です。自生地では、灼熱の大地で育ちますが、暑さにも寒さにも強く、日本の環境であれば初心者にも非常に育てやすい植物です。生長はゆっくりですが、管理や手入れがほぼ必要ありません。
細い葉はボール状に茂り、枯れた葉が幹を覆っていく姿は、日本の植物ではなかなか見ることのない個性的な姿で、ドライガーデンのお庭づくりには人気の植物です。
お庭づくりに広いスペースがとれない場合でも、ユッカ・ロストラータを1本植栽するだけでインパクトのあるカッコいい空間をつくることができますよ!

セダム
学名:Sedum(Zone:3~10)
砂漠に限らず、岩場や高原、土手の上などさまざまな場所で生きる「セダム」は「水の少ない場所」を好む植物らしからぬ植物です。基本的には、とても小さく眼を引くような植物ではありませんが、1ヶ月水がなくても生きていける生命力には、その小ささからは想像できないたくましさを持ちあわせている植物です。寒さに強い種類では、氷点下であっても問題なく屋外で育てることができるので、初心者には安心しておすすめしたい植物です。
【寒さに比較的強い種類】
・マンネングサ

斑入り葉・黄金葉などバリエーションが豊かです。放任しても祖脱とにかく丈夫なことが特徴です。
・ドラゴンズブラッド

深いレッドカラーの葉色が個性的です。
・アトランティス
はっきりした斑入りのマーブル模様が可愛らしいセダム。カッコよさが目立つドライガーデンにも相性抜群です。

オリーブ
学名:Olea europaea(Zone:8b~11a)
平和の象徴オリーブは、原産地はイタリア・スペイン・ギリシャ・トルコなどの地中海沿岸の国々です。
シルバーに光る細長い葉と上へ伸びる枝が印象的で、初夏には白い小さな花が咲き、秋に実る緑の実や冬に熟した赤い実も美しく、ドライガーデンのお庭のシンボルツリーとしておすすめです。
オリーブは温暖な気候を好みますが、暑さに強いだけでなく、短期間なら寒さにも強く、マイナス10℃前後まで耐えられる耐寒性があり、また乾燥に強いため、地植えの成木なら水やりの必要はほとんどなく初心者でも育てやすい木です。

ココスヤシ(ブラジルヤシ)
学名:Butia yatay(Zone:8b~11a)
ココスヤシ(ブラジルヤシ)の原産地はブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなどです。
ヤシと聞くと大木をイメージするかもしれませんが、ココスヤシは5m〜10m位までしか育たず、ヤシ科の植物の中では、比較的小さな種類になり、日本での栽培に向いています。ココスヤシは寒さにも暑さにも強く、害虫がつきにくいため、初心者でも手軽に育てることができます。シルバーブルーの葉がお洒落で、樹形がスタイリッシュなココスヤシはドライガーデンを爽やかなリゾート風に仕立てたい方におすすめです。

埼玉でドライガーデンのお庭をつくるには
ここまで、埼玉でドライガーデンのお庭づくりで大切な生育環境と埼玉の気候の特徴を紹介してきました。
ドライガーデンのお庭をつくるには、以下のようなことをあらかじめ調べたり、考えておかなくてはなりません。
・お住まいのエリアの耐寒性ゾーン
☝ご紹介したように、植物によって生育環境は異なります。植栽した後、住まいのエリアの環境にあわない植物だった…なんてことのないように事前にしっかり調べましょう。
・日々のお手入れ
☝手間のかからないお庭をつくるはずが、水やりや落ち葉広いに手間がかかり無駄なストレスを感じてしまうことのないよう、ローメンテナンスな植物を選ぶことが大切です。
・植栽するのスペースの大きさ、お庭のデザイン
☝植物や石などを用意してから、スペースが小さくて全部を植栽出来なかったり、とりあえず植えてみたけどバランスが悪いなど、せっかく時間をかけてお庭づくりをしても、納得のいかないものだと愛着をもって育てることが難しいですよね。
・植物や石を購入する場所や方法
☝ドライガーデンに使用する植物は希少なものも多く、ホームセンターなどでは手に入らないものもあります。インターネットなどで購入することは可能ですが、写真とは異なる商品を販売するような詐欺まがいのサイトもあるので注意が必要です。
希少植物を準備したり、デザインを考えたりするのは、初心者の方にはハードルが高く感じるかもしれません。
お庭をつくるには時間とお金がかかります。だからこそ失敗はしたくないですよね。
庭のプロ集団『庭.pro』ではドライガーデンのお庭づくりのプロが、お客様一人ひとりの好みや希望にあったお庭づくりを実現します。
事前にお庭の日の当たり方や風の通りなど、生育環境を確認し、ドライガーデンの植物が健康に育つようお庭をデザインし、ご提案から施工まで行います。
イメージが上手く伝えられない、植物のことはよくわからないという方は、プロにすべておまかせでも大丈夫です!植物の日々のお手入れなどについてもアドバイスいたします。
埼玉で個性的でカッコいいドライガーデンのお庭をつくりたいけど、自分でつくるのは自信がないという方は、ぜひ庭のプロ集団『庭.pro』へお任せください!
2023年7月11日(2023年11月6日更新)
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