外構工事をするときに、どんなことに注意して進めていきますか?既存の住宅を立て直すほどではないけれど、憧れの外構リフォームで使い勝手がよくなるよう、期待が高まります。ぜったいに失敗したくないですよね。この記事では、お庭や外構リフォームを検討する前に、ぜひ知っておいてほしい基礎知識についてご紹介します。
外構リフォームの基礎知識5つ
基礎知識①外構の形式
クローズド外構
オープン外構
セミクローズド外構
基礎知識②機能は?
耐久性
安全性
装飾性
基礎知識③建築基準法など
建築確認申請
建蔽率(けんぺいりつ)
固定資産税はかかる?
基礎知識④補償金その他
住宅の長期保証
火災保険は?
エクステリアの保証
基礎知識⑤外構リフォームの注意点
水はけの悪い土地
動線が悪い
費用相場より高い
まとめ
はじめに
皆さんは、「外構」と「エクステリア」の違いについて考えたことはありますか。一般的にはどちらもほぼ同じ使われ方をしていますが、そもそも「外構」とは、建物の外にある構造物の総称のことをいいます。
エクステリアは英語で「Exterior」と書き、室内内装の意味を持つ「Interior」の対義語でもあります。インテリアが室内の機能性やコンセプトといったイメージを形成する大事なファクターであるように、エクステリアもインテリアと同じく「機能性」「耐久性」「安全性」そして「趣味性」を吟味して選ぶ必要があります。エクステリアは道行く他人から一番よく見られる場所で、そのお宅にどんな人が住んでいるのか、その人となりが垣間見られるものであり、ステイタスとも言えるでしょう。
そして、インテリアと違い、エクステリアは基礎などでしっかり固定し、面積も大きいものなので、建築物とみなされ、「建蔽率」や「固定資産税の対象」などに係ることもあります。リフォームは、高い買い物ですので、失敗しないように基礎知識をしっかり学びましょう。
外構リフォームの基礎知識5つ
基礎知識①外構の形式
外構の見せ方には大きく分けて「クローズド外構」「セミクローズド外構」「オープン外構」の3タイプあります。ご自分がどうしたいのか、方向性を決めておきましょう。
クローズド外構
「クローズド外構」は、住宅が塀やフェンスで囲われて、入り口には門扉があり、通り道から遮られ中が見えにくい外構です。外部からの侵入者を防ぐことができ、人目につきにくくプライバシーも守られており、高級感にあふれています。
その反面、泥棒などがひとたび中に入ってしまうと、隠れるところが多いので発見されにくいという難点もあります。昭和の時代の住宅街ではクローズド外構が、人気がありました。
オープン外構
時代の変化とともに今の時代は、多くの住宅で「オープン外構」が選ばれています。それは世帯あたりの車の所有率が上がり、フェンスがない方が車をたくさん置けるなどの場所の問題、また開放感があり日がよく差し込んで明るいなどの美観面、フェンスや塀などに予算を割くコスト面などの理由から選ばれています。
また、オープン外構は、開放感がある一方人目につきやすく、セールスマンが簡単に立ち寄れてしまうなどのあやうさがありますが、逆に、人目につきやすいので泥棒などは入りにくいようです。
セミクローズド外構
「セミクローズド外構」はクローズド外構とオープン外構の中間で、開放感とプライバシー保護の両方を叶えます。一部をフェンスや小さな壁などで覆うことにより、目隠しとなり、意匠性や高級感もありますが、オープン外構よりは費用は高くなります。
基礎知識②機能は?
耐久性
エクステリアには耐用年数があります。ここでいう耐用年数とは、企業の固定資産の減価償却のことではなく、物理的にどのくらい持つのか、言い換えると「何年後に買い替えなのか」ということを知っておきましょう。使用頻度や下は土なのかコンクリート土間なのか、設置場所の条件によっても変わってきます。海が近ければ塩害も考えられます。Lixil、YKK APなどの大手主要メーカーのものならおおよそ10年~15年持つというエクステリアが多いようです。
安全性
エクステリアは値段や見た目も大切ですが、なにより安全性が一番大切です。使用中に底が抜けたり、指が挟まりケガをしたりするような事故が起きてはなりません。現代の日本の主要メーカーのものなら安全性に配慮された設計となっており、最近ではエコロジーの観点からも有害な塗料などは使われなくなりました。また商品の安全性だけでなく、大地震や台風の際に破損して被害がないようしっかりとした基礎工事が必要になりますので、施工規格や保証についても確認し、施工は専門業者に依頼しましょう。
装飾性
使いやすいのはもちろんのことですが、エクステリアは、家の外側にしつらえるものなので、他人から一番よく見られる場所。見た目にもこだわりたいですよね。どんな色形を選ぶのかによりその家の人のセンスが分かります。しかしデザインばかりで選ぶのではなく、生活上の利便性や安全性もあわせて選ぶとよいでしょう。
基礎知識③建築基準法など
建築確認申請
ガレージや物置などを新設する場合、屋根があり壁で囲われているエクステリアなら、住宅と繋がっていなくても増築扱いとなり「建築確認申請」が必要なケースが出てきます。
どのエリアでも準防火・防火地域内に建つ住宅であれば、建築確認申請を行います。また、準防火・防火地域外であっても、10㎡を超えるエクステリアを設置する場合には、建築確認申請が必要になりますので注意が必要です。ちなみに10㎡とは6畳間より少し広いくらいの面積です。
防火・準防火地域はこちらのページに主要都市のリンクを設置しています。
https://www.niwa.pro/exterior/city-planning-information.html
建蔽率(けんぺいりつ)
建蔽率とは、都市計画や景観が悪くなるのを防ぐための規制で、「土地の面積に対し、この割合まで建物を建設してもよい」と行政が決めた指標のことです。100坪の土地で、建蔽率が60%の地域ならば、建築物を60坪以内に納めないとなりません。
建築物とは、壁で囲われているもののみならず、柱と屋根のみで構成しているカーポートも建蔽率に含まれるので注意しましょう(ただし緩和条件あり)。
固定資産税はかかる?
ガレージやプレハブなども、条件によっては、固定資産税がかかる場合があります。上記に記した「建築確認申請」と条件はかぶるのですが、「基礎で土地に定着している」「屋根や壁で囲われている」「人が入って作業ができる」状態の3つの要件を満たしていれば、固定資産税の対象になり得ます。
しかし、面積や価格、基礎の程度などにより、固定資産税の対象にならない場合もあります。それぞれの自治体で判断が違いますので、お住まいの自治体に確認してみましょう。
基礎知識④補償金その他
住宅の長期保証
皆さんがマイホームを新築した時、ハウスメーカーと「10年保証」などの長期保証の契約がありましたよね。2000年に施行された法律により、主要たる構造物と雨漏りの「瑕疵担保責任」がハウスメーカーに義務付けられました。
この長期保証は、もし途中で他業者によるリフォームがあった場合、無効になってしまうのです。そうならないためにも、ウッドデッキやサンルームなどは建物に固定せずに、新たに柱を立てるようにしましょう。
火災保険は?
マイホームをお持ちの方なら火災保険に加入していると思いますが、火災保険は、トラブルがあるまで使わないものなので、細かい内容を忘れてしまった人も多いのではないでしょうか。住宅部分だけでなく、しっかりした基礎のあるエクステリアなら火災保険でカバーされています。たとえば、フェンスやカーポートのように、建物から数メートル離れているものが倒壊した場合も、補償の対象となっています。ただし、契約によって免責金額(たとえば20万円以下は補償なしなど)が決められているので、保険会社に確認してみましょう。
エクステリアの保証
エクステリアにも1年~2年のメーカー保証がついています。メーカーによっては、施工完了日から2年なのか、購入時から2年なのかが違いますので把握しておきましょう。台風や豪雨などの天災は免責になる場合がほとんどです。火災保険を使うようにアドバイスされるかもしれません。
また、よいリフォーム業者だと、工事の瑕疵による対人事故、対物事故で損害が生じた時、あるいは、工事の瑕疵による破損の修繕、原状回復工事の10年補償など、独自の施工保証制度を設けているところもあります。
基礎知識⑤外構リフォームの注意点
水はけの悪い土地
大雨の次の日に、玄関前に大きな水たまりができてしまったり、庭の水がなかなか引かず泥だらけになってしまったり…。そういう場所にエクステリアをリフォームする場合は注意が必要です。
この場合、土を入れ替えても、砂利を敷いても水を吸い込む量はさほど変わりません。地中に問題がある場合がほとんどです。大昔はこの場所は沼地だった、というようなパターンです。
もし、安価に請け負った業者だったら、この土地の背景も知らずに、水勾配を考えずにただ施工しただけで終わらせてしまうかも知れません。よい業者なら、水勾配や暗渠排水など、水の通り道を作りつつリフォームをすることで解決してくれますよ。
DIYで検討している方はこちら↓の記事も参考にしてくださいね
動線が悪い
これも生活してみないと分からないことなのですが、駐車場から門扉に入り、郵便受けに立ち寄った後、玄関アプローチを通って玄関へ向かう、という一連の動作がスムーズにいかないと、毎日のことなのでストレスがたまります。
経験値の浅いエクステリア業者だと、決められた予算内で見た目の美しさばかり追求して、有効なアドバイスがもらえない場合があります。子供が大きくなった時にどうなっているのか、車を買い替えた時にどうなっているのか、など今後を見据えての施工も必要です。
費用相場より高い
これは完全にコミュニケーション不足です。新築時のエクステリアは、ハウスメーカーの人が言うままに受け入れてしまいがちですが、今はそうではありません。練りに練ったリフォームであれば話し合いで回避できる問題です。
何か大きなものを注文するときには他社と相見積もりをするものです。適正価格を知っていれば、営業マンとしっかり話し合うことができ「相場より高かった」という失敗はしないでしょう。また、なぜ相場より高いのかを説明してもらい、理由に納得できれば、安心してお任せできるのではないでしょうか。
まとめ
お庭や外構リフォームを検討する前に知っておいて欲しい外構リフォームの基礎知識についてお話いたしました。外構にはどんな形式があるのか、耐久性や安全性、建築基準法に抵触するのかどうか、破損した場合補償金は出るのか、その他注意点をご理解いただけたと思います。リフォームも新築時と同様、リフォーム業者としっかり話し合い、こちらの意向をしっかり伝えて、納得して依頼できるようにしたいですね。
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2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎